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木曽馬「幸泉号」が牧場デビュー!
 └─上野  2007/11/30

 2007年11月12日に上野動物園にやってきた木曽馬のメス「幸泉号」(さちいずみごう)(4歳、メス)。11月27日、子ども動物園にある曲屋(まがりや)の横にできた牧場にお目見えしました! この牧場は、職員による手作りです。牧場にはもう1頭、同じく在来馬(日本に古くからいる馬)のトカラ馬「琥太郎」(こたろう)がいます。

・ニュース「ぐんぐん成長、トカラ馬

 幸泉号はもう大人の体型をしています。体高は 130センチ。木曽馬の平均的な大きさです。サラブレッドなどの競走馬を見慣れた方は、木曽馬の小ささに驚かれることでしょう。しかし、戦国時代、木曽馬は甲冑をつけた武将を乗せ、戦場で活躍していたのです。農耕や運搬作業にも大活躍していました。木曽馬を利用している地域では、この馬がいなければ生活が成り立たないほどでした。現代農業では耕運機やトラクター、運搬用トラックなどが欠かせませんが、その役割を戦前はすべて馬がになっていたのです。

 検疫中、1頭でいた幸泉号はあまり餌を食べず、担当者を心配させていました。故郷である長野県木曽町開田高原の木曾馬乗馬センターにもくりかえし相談しました。しかし、検疫後、トカラ馬の琥太郎といっしょになると食欲回復。これで一安心です。2頭はとても仲がよく、1頭が先に寝小屋に帰ると、残された1頭が寂しそうにいななきます。群れで生活する馬の性格なのでしょう。

 親子のように見える幸泉号と琥太郎は、いっしょに草を食べ、いっしょに横になって眠ります。幸泉号が牧場に慣れてきた休園日、担当者、そして大学時代に馬術部だった職員が幸泉号に乗ってみました。初乗馬なので、1人が手綱をとって誘導し、1人が乗りました。

 最初は人も馬も緊張していたのですが、徐々に慣れ、短時間でしたが乗ることができました。ただ残念なことに、職員が自力で作った牧場はせまく、中に立ち木が何本もあるので乗りづらかった、との担当者の声でした。

〔上野動物園子ども動物園係長 高藤彰〕

写真上:2007年11月12日、木曽馬「幸泉号」、上野動物園に到着
写真中:同日、体重測定
写真下:牧場の木曽馬「幸泉号」

・東京ズーネットBB(2007年11月30日公開)で幸泉号の動画を紹介しています!

(2007年11月30日)



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