ニュース
ぐんぐん成長、トカラ馬
 └─上野  2007/10/26

 2007年10月2日に上野動物園子ども動物園にやってきた「トカラ馬」のオスを、10月16日から公開しました。公開当日の朝、いつものように餌をやってからその場を離れようとすると、大きくいななき、担当者を追って走ってきました。一般公開が始まると知ってか知らずか(?)緊張していたのでしょうか。開園後も、ほとんど部屋の中ですごしていました。元々おとなしく、少し臆病なところがあるので、無理強いはできませんが、なるべく運動場にいるところを見てほしいのです!

 そこで翌日から、餌の半分は運動場内に置いてみたところ、ときどき運動場に出てきては草を食べ、部屋に戻り、また外のようすをうかがったり……。そんな「ひかえめ」なトカラ馬ですが、担当者の足音や声が聞こえると、部屋から出てきてしきりに鳴きます。「ごはんちょうだい」?、「遊んで~」?、何と言っているのでしょうか? でも、かれが自己主張をするのは、こんなときだけなので、担当者としては、なんだかちょっとうれしいのです。

 成長期まっただ中のトカラ馬は、日々バクバク食べ、ぐんぐん成長しています。動物園に来たときより、体重が11キログラム増えました。ただし、成長期だからといって、際限なく食べさせていると太ってしまいます。そこで、こまめに体重を測ったり、馬の状態を見たりして、餌の量を決めています。トカラ馬の現在の大好物はニンジンです。これはいつも食べられるわけではなく、ごほうびとして与えています。ニンジンを見ると、目の色が変わり、落ち着きがなくなります。そのためニンジンは、「ここぞ!!」というときにしか使わないようにしています。

 その「ここぞ!!」というのは、馴致(じゅんち:訓練)のときです。といっても、芸をさせるわけではなく、足をあげる訓練です。馬のひづめの裏には溝があり、そこにウンチや砂が詰まってしまいます。そのため動物園でも、夕方馬たちを部屋に戻すときには、かならずひづめをきれいにします。しかし、生まれながらにして足を上げられるのではなく、馴致が必要なのです。

 慣れない馬にとっては、足を1本上げるとバランスが取りづらく、不安感をおぼえます。そのため、毎日毎日短時間ではありますが、くりかえし練習するのです。終わった後は、おおげさにほめ、ニンジンを与えます。あせらず、ゆっくり、そして馬に求めすぎないよう心がけています。

 さて、現在トカラ馬の名前の募集をおこなっています。五つの候補名から、「これだ!」というものを選んで投票してください。現時点では名前がないため、もっぱら「トカラ~」と呼んでいます。ぜひ、みなさんも投票してください。投票箱は、子ども動物園のトカラ馬放飼場前に設置してあります。

トカラ馬の名前募集のニュース

(2007年10月26日)



ページトップへ