葛西臨海水族園の「大洋の航海者:マグロ」水槽では、現在5種類のマグロのなかまを展示しており、例年、初夏から初冬にかけて、スマとハガツオの産卵が見られます。今年もこの2種の産卵が水槽内で始まりました。
産卵はほぼ毎日あり、今は餌の時間(午後2時30分)の前後に行なわれているようです(迫力あるスマの産卵行動については、
2006年5月19日のニュースと、その中の動画↓をごらんください)。
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産卵自体は数秒から数十秒で終わってしまうので、目撃するのはなかなかむずかしいのですが、見のがしてしまった方は、水槽内をただよう卵を探してください。大きさは1ミリほどしかなく、ほとんど透明なので、探すには少々コツがいります。
まず、水槽のすぐそばまで近寄ります。アクリルガラスのすぐ向こうの水中に視線と焦点を合わせると、銀色の小さな点に見える、空気の泡がたくさん流れているのが見えます。我慢しながらしばらく観察をつづけると、空気の泡より明らかに大きい(といっても1ミリほどですが)、透明だけど少しだけにごって見える粒が流れてくることがあります。これが卵です。一度発見したら、つぎつぎと流れてくるのがわかるはずです。
現在、水族園では、この受精卵からハガツオを育てることにチャレンジしています。休むことなく泳ぎ続けるマグロのなかまを、小さな水槽で成長させるのは容易なことではありませんが、順調に育ってくれれば、秋ごろに水族園生まれのハガツオが大水槽にデビューするかもしれません。
育成中のハガツオの稚魚の動画(約1分)は下記のリンクをごらんください(ハガツオの子どもは、孵化後4日もすると、まわりを泳ぐ魚を食べ始めます)。
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写真上から
・スマとハガツオの卵(少し大きい方がハガツオの卵)
・孵化したばかりのハガツオ仔魚
・ハガツオの稚魚は口が大きい
・ハガツオ成魚
〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕
(2007年5月28日)