みなさん、「なぎさ通信」をご覧になったことがありますか? 水族園の目の前にある人工の干潟「西なぎさ」で、四季折々に見られる生き物についてお知らせするニュースレターです。東京ズーネットでは、
「なぎさ通信」のページで、各号がダウンロードできます。
さて、このたび号外として、「西なぎさ 魚ごよみ」を作成しました。水族園が「西なぎさ」で毎月行っている地びき網調査の結果をもとに、観察される魚を季節ごとにイラストや写真で紹介したものです。
東京湾の奥に位置する西なぎさの海は、にごっていることが多く、何もいないように見えます。しかし、水中をのぞくと、意外にも生き物でにぎわっているのです。10円玉よりも小さいイシガレイの子ども、親と似ても似つかないすがたをした透明なアユの子ども、ほかにも、コノシロ、サッパ、スズキ、マハゼなど、東京湾を代表する魚の子供が西なぎさにやってきます。
西なぎさのような干潟と、それに続く浅瀬は、魚の子どもにとって大切な生育の場になっているのです。みなさんがお寿司やさんで食べるコハダ(コノシロ)も、小さいころは西なぎさで過ごしていたかもしれませんよ。
そして、それぞれの魚がやってくる時期は、アユは冬、イシガレイは春、コノシロは夏といったように、年ごとに多少のずれはあるものの、ほぼ決まっています。小さなイシガレイのすがたを地びき網の中に見つけると、まだ水が冷たい海にも春が来ていることがわかるのです。
さて、この魚ごよみは、
「なぎさ通信」のページから、カラー版をダウンロードすることができます(PDF、2ページ、4.1MB)。また、水族園の情報資料室でもお配りしています。
西なぎさの水中を、魚ごよみでぜひのぞいてみてください。さらに、「地先の海」のコーナーでは、西なぎさで見られる魚を展示しているので、本物に出会うこともできますよ。
〔東京動物園協会調査係 天野未知〕
(2005年9月9日)