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ケープハイラックス登場
 └─上野  2005/04/15

 ハイラックスは、ウサギぐらいの大きさで、耳が短く、しっぽがほとんどなくて、ずんぐりした動物。ゾウに近い動物です。

 「エッ! これがゾウに近縁!?」──という反応を期待したいところですが、意外によく知られているようで、ちょっと残念……。足の骨のつくりがゾウに似ていて、全身の骨格はサイに似ていているそうです。

 このたび、小獣館におめみえしたのは、広島県の安佐動物公園からやってきた4頭のケープハイラックス(オス2頭、メス2頭)。小獣館1階にいます。ニュースの写真のとおり、木の上で寄りそってじっとしていることが多いようです。飼育係が入っていっても、じっとしたままで、ガタンと音がすると、突然すばやく動いたりすることも。

 ハイラックスには複数の種が知られていて、樹上で暮らすキノボリハイラックスという種もあります。アフリカ、中近東などに分布するケープハイラックスは、岩場で集団をつくって生活しています。でも、小獣館のケープハイラックスたちは、室内の木にもよくのぼっています。

 かれらの指もよく見てください。前足には4本、後足には3本の指があり、ひづめのような丸い爪がついています(後足の第2指のみ、かぎづめ)。そのため、ハイラックスは原始的な有蹄類に分類され、グループとして、「イワダヌキ目」とも呼ばれます(ハイラックス目とも)。

 「イワダヌキ」というのは、体型がややタヌキに似ており、岩場などで生活するからとか。ちなみに、車のハイラックスは、Hi(gh) と Luxuryを組みあわせた造語だそうです(HILUX)。動物の方は hyrax。

・おまけクイズ──岩狸はハイラックス。では、海狸は?(ヒント:齧歯類。解答はメールマガジンNo.212の編集後記で)

(2005年04月15日)



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