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水路の手入れとゲンジボタル幼虫の成長
 └─多摩  2013/04/26

 以前の記事でお知らせした多摩動物公園での「ゲンジボタルの幼虫放流、その後」のその後を報告します。

「ゲンジボタル幼虫放流、その後」(2012年08月17日)

 2012年は室内で飼育した幼虫を園内水路に放流し、ホタルの飛翔と産卵を確認することができました。2013年は、孵化した幼虫が無事に育つことができる環境を確認するために放流はおこないませんでした。

 産卵確認から2か月後の9月、石の下やスゲの根を網ですくってみたところ、3〜5齢に育った幼虫を数匹見つけることができました。そこで、今年は川幅拡張などの整備を控え、観察をしました。 2013年3月、要注意外来生物のオランダガラシ(クレソン)が水路に繁茂し始めました。水質を浄化してくれるよい面もありますが、在来植物を駆逐したり水路を塞いだりする恐れがあるので、毎年定期的に根ごと取り除いています。根はカワニナなどの生物が利用していて、ホタルの幼虫が隠れ家としている可能性もあるので、種が落ちる前に除草しました。根をホタル舎に持ち帰り、入念に探したところ、終齢にまで育った幼虫を数匹確認することができました。幼虫は水路へ戻し、4月中旬から5月上旬の雨の夜に蛹になるため上陸してくるのを待つことにしました。

 4月20日の雨の夜、午後8時から9時30分まで観察をしたところ、10匹の幼虫が発光しながら上陸してきました。今後、どれだけの幼虫が上陸してくるかわかりませんが、順調に育てば6月中旬、2世代目のホタルが綺麗に飛び交うかもしれません。

写真上:オランダガラシの花
写真中:繁茂したオランダガラシ
写真下:上陸したホタルの幼虫

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 杉田務〕

(2013年04月26日)



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