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こみすけの深海調査航海見聞録、その壱 
 └─葛西  2012/01/13

 葛西臨海水族園調査係のこみすけこと小味亮介です。私は今、海洋研究開発機構JAMSTECの「かいれい」という船に乗っています。2012年1月7日から約2週間の予定で、沖縄の南西諸島海溝の深海調査をするためです。
 以前にもアメケンの深海調査航海リポートをお届けしましたが、今回は彼に変わって私が航海のようすをお伝えします。

 2008年6月27日から7回連載した「アメケンの深海調査航海リポート」は、下記の記事からリンクをごらんください。
「深海調査航海リポート」

 前回のリポートでは「ハイパードルフィン」が深海に行きましたが、今回深海調査に行くのは「かいこう7000 II」というROV(無人探査機)です。

 「ハイパードルフィン」は水深3000メートルまでの深海調査が可能ですが、「かいこう7000 II」はなんと水深7000メートルまでの深海調査ができます。
 しかし、水深7000メートルまで潜るとなると、どうしても母船とROVをつなぐケーブルが長くなってしまい、ROVが海底で動きづらくなります。そこで「かいこう7000 II」はランチャーとビークルという2つの機器に分かれ、ランチャーが母船の「かいれい」とビークルを中継しています。ランチャーから新たにケーブルを延ばすことで、実際に海底で作業するビークルが動きやすくなるという構造です。

 母船内にある「かいこう7000 II」の操縦場所には、モニターや小さなスイッチがたくさん並んでおり、ランチャーを1名、ビークルを2名の計3名で操縦します。まるでSF映画の宇宙船のコックピットのようで、初めて見たときは子どものように夢中になって見入ってしまいました。

 これから「かいこう7000 II」による調査が始まります。深海ではいったい何が待ち受けているでしょうか? この調査のようすは来週お伝えします。

写真上:出港直前の「かいれい」
写真中:出番を待つ「かいこう7000 II」
写真下:「かいこう7000 II」の操縦席
【写真提供:独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)】


〔葛西臨海水族園調査係 小味亮介〕

(2012年01月13日)



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