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続・新たな視点で見てみると(33)
 トビハゼの巣穴掘り「泥をペッ!」
 └─葛西  2011/10/28

 葛西臨海水族園の東京の海エリア「泥干潟」水槽では、トビハゼの繁殖を進めるために水槽内の「気温」を調整しています。2011年も6月末から気温を上昇させた結果、水槽内でディスプレー(オスからメスへの求愛行動)が見られるようになりました。9月5日には孵化した仔魚も確認され、現在、裏の水槽で育成中です。

 あれ? この記事読んだことある、と思われた方は正解です。今回は「続・新たな視点で見てみると(29)トビハゼのディスプレー」(2011年07月15日)の続きなのです。

続・新たな視点で見てみると(29)

 2008年7月に水族園のすぐ側にある人工干潟「東なぎさ」でおこなったトビハゼ調査の際に撮影した映像をご紹介します。

 7月の暑っつい!干潟で、トビハゼのディスプレーを撮影していた私の足元で、1匹のトビハゼが巣穴を掘り始めました。掘るといっても魚なので、シャベルを使うわけではありません。水を含んで柔らかくなっている泥を、口に入れて穴の外に「ペッ」と吐き出すのです。一度に口に入る泥は大した量ではないので、トビハゼは何度も穴に入っては「ペッ」を繰り返します。しかし、良く見てみるとこの「ペッ」は一度に1回だけというわけではないようです。スローモーションで撮影してみると、1回目の「ペッ」で吐ききれなかった泥を、続けて「ピュ」と吐き出しているところが映っていました。

【トビハゼの巣穴掘り動画】

 巣穴が掘り進んでくると、トビハゼがまた面白い行動を見せてくれました。この映像は次回の「新たな視点」でお伝えします。

※「東なぎさ」は生物保護のため、ふだん人の立ち入りは禁止されています。

写真上:巣穴を掘るトビハゼ
写真下:泥を吐き出した瞬間

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2011年10月28日)



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