葛西臨海水族園の東京の海エリア「泥干潟」水槽では、トビハゼの繁殖を進めるために水槽内の「気温」を調整しています。2011年も6月末から気温を上昇させた結果、水槽内でディスプレー(オスからメスへの求愛行動)が見られるようになりました。
実際のディスプレーは水族園に足をお運びいただき、水槽で観察していただきたいと思いますが、今回は水族園の目の前にある人工的に作られた「東なぎさ」で観察されたディスプレーのようすをスローモーションの映像でごらんいただこうと思います。
【トビハゼのジャンプ動画】
この映像ではメスより体が少し大きなオスが、体の色を変え、メスを前にすると背びれをピンと広げてアピールします。さらに勢い良くジャンプをするのは、強く健康的なオスであることを見せつけるかのようです。スローで見てみると、胸びれで体をしっかりと支えた後、体の後半部分をくねらせて縮め、この曲がりをピーンと伸ばす勢いでジャンプしています。横に長く飛んだり、縦に高くジャンプするなど、なかなかのテクニックです。
この映像は少し昔のことになりますが、2008年7月の調査で撮影したものです。そのとき撮影した興味深い映像がほかにもあるので、次回から紹介したいと思います。
※「東なぎさ」は生物保護のため、ふだん人の立ち入りは禁止されています。
写真上:展示水槽のトビハゼ
写真下:「東なぎさ」のトビハゼ生息地
〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕
(2011年07月15日)