みなさんは、大漁旗というものをご存知でしょうか。大漁旗とは、漁の帰りを港で待つ人々に、大漁の知らせをいち早く知らせるための目印として掲げられる旗です。また、海に出て行く漁師たち、陸で待っている家族や仲間たち、両方にとっての「守り神」でもあります。
この大漁旗の図柄には原型があるといわれており、大漁の際、船主が乗り手たちに褒美として送った萬祝着(まいわいぎ)が元になっているそうです。遠くからでも目立つように華やかで鮮やかな色彩のものが多く、それぞれが特徴をもった図柄となっています。
アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)がある福島県いわき市小名浜では、大漁旗をモチーフとした「小名浜国際大漁旗デザイン展」が2007年から毎年開催されています。この企画は、「持続可能な資源の利用」という今日の漁業の重要なメッセージを発信したいという想いから始まったものです。
アクアマリンふくしまでは、その勇壮な大漁旗の芸術性を全国に、さらには世界中に広めていきたいと考え、このデザイン展を企画しました。
先の東北地方太平洋沖地震や津波による影響が心配されましたが、過去の小名浜国際大漁旗デザインコンペの入賞作品やさまざまなアーティストによって発表されたオリジナルデザインの大漁旗の一部は、無事に残っていました。
葛西臨海水族園では、それらの大漁旗を借りることができましたので、アクアマリンふくしまと小名浜の一日も早い復興を願い、園内で掲げることにしました。応援イベントの期間中、「東京の海」エリアから「海鳥の生態」前の通路で展示をしています。
カラフルで個性的なデザイン大漁旗の数々を、ぜひごらんください。
・応援イベント
「がんばれ!アクアマリンふくしま──海と人がつなぐ ふくしま 東京」
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「がんばれ!アクアマリンふくしま──ふくしまから来たオウムガイ」
写真上:オリジナルデザインの大漁旗
写真下:「東京の海」エリアでの展示風景
〔葛西臨海水族園調査係 小野瀬拓也〕
(2011年06月03日)