葛西臨海水族園では、東日本大震災で被災した福島県の水族館「アクアマリンふくしま」(ふくしま海洋科学館)の生き物を受け入れています。
先ず一時的避難として、2011年3月17日にエトピリカとウミガラスを緊急収容しました。
その後、スポッテッドラットフィッシュなどの生き物を譲り受け、一部はすでに展示を始めています。これらに加えて、今回新たにオウムガイも展示することになりましたのでご紹介します。
オウムガイは3月29日に、アクアマリンふくしまのスタッフ3名によって水族園に運ばれてきました。アクアマリンふくしまがある福島県いわき市から東京都江戸川区までは、高速道路を乗り継いでもおよそ200キロメートルあります。その距離をトラックの荷台に乗せた活魚タンクに入れて輸送されてきました。今回の輸送に使われたトラックや活魚タンクなどの機材一式は、水族園から貸し出したものです。到着した活魚タンク内には、オウムガイのほかにも、アメリカカブトガニ、オキナエビスガイ、トリノアシなどが収容されており、同時に搬入作業をおこないました。
オウムガイは、新しい環境に慣らすため、しばらくの間バックヤード(水族園の裏側にある水槽)で飼っていましたが、飼育経過は良好なので、5月12日から展示水槽に移しました。
オウムガイは、「東京の海」エリアで、同じくアクアマリンふくしまから譲られたアメリカカブトガニと並べて展示しています(6月16日から展示場所がレストラン「シーウインド」前に変わりました)。現在開催中のアクアマリンふくしま応援イベントの一つです。生物の状態によって、展示内容を変更する場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
今回の大変な災害にも負けなかったオウムガイたちの元気な姿を、ぜひごらんいただきたいと思います。
・応援イベント
「がんばれ!アクアマリンふくしま──海と人がつなぐ ふくしま 東京」
写真上:トラック到着時の搬入作業のようす
写真下:展示中のオウムガイ
〔葛西臨海水族園調査係 小野瀬拓也〕
(2011年05月21日)