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イクメンなランプサッカー
 └─葛西  2010/09/24

 最近「イクメン」という言葉を耳にすることはありませんか? 積極的に育児に参加し、育児を楽しみ、自分自身も成長していく男性のことをイクメンと呼ぶそうです。

 そんなイクメンな魚が、葛西臨海水族園世界の海エリア「北海」の水槽にもいます。それはランプサッカーという魚で、体の色が赤茶色と灰色の2種類がいますが、イクメン男子のオスは赤茶色のほうで、メスは灰色をしています。

 オスは繁殖期になるとこのような婚姻色があらわれ、育児に適した場所に陣取り、ほかのオスが近付いてくると威嚇して追いはらいます。メスに卵を産んでほしい場所を、口や胸びれを使ってきれいに掃除するような行動も見られます。そして、メスが卵を産みつけると、孵化するまでの約2か月間、イクメンぶりを発揮して、卵をだいじに守るのです。

 ランプサッカーは、大西洋の北海周辺に生息していますが、この水槽にいる個体はすべて生粋の水族園生まれです。親は、2007年にアメリカのニューイングランド水族館から送られてきましたが、当時の体長は5センチメートル程しかありませんでした。それが大きく成長し、2008年9月に産卵、約2か月後に孵化しました(産卵のニュース)。今みなさんにごらんいただいているランプサッカーは、そのとき孵化した個体です。

 水族園生まれの3代目がそろそろ誕生するかもしれません。

写真上:体色が灰色のメス
写真下:赤茶色の婚姻色があらわれたオス

〔葛西臨海水族園飼育展示係 牧茂〕

(2010年09月24日)



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