突然ですが、みなさん!エビは好きですか? 今回ご紹介するのは、世界最大のエビ、アメリカンロブスターです。アメリカンロブスターは北アメリカの大西洋沿岸にすむ大型のエビです。食材として流通しているので、知っている!という方も多いのではないでしょうか。その生きた姿を、葛西臨海水族園「世界の海エリア」にある「北米沿岸」水槽でじっくり見ることができます。
アメリカンロブスターの特徴は、何といっても一対の大きなハサミでしょう。このハサミは、大きいだけあってパワーも強力です。最初に飼育した水槽では、プラスチック製の丈夫なパイプをはさんで見事に粉砕してしまいました。
なんでも破壊してしまうハサミですが、よく見ると右と左で形が違います。アメリカンロブスターのハサミは、左右でそれぞれ違う役割をもっています。細長いほうが切るためのハサミで「カッター」、太いほうがはさんで砕くための「クラッシャー」と呼ばれています。
ところが興味深いことに、貝の殻を砕いたり、なかまどうしでケンカしたりしないよう、はさむものが何も無い環境で育てると、ハサミは両方ともカッターになるそうです。
葛西臨海水族園のアメリカンロブスターは、右がカッター、左がクラッシャーです。ふだんはあまり動き回らずにじっとしていますが、何かの拍子にハサミを大きく振りかざすことがあります。そんなときはチャンスですので、左右のハサミの違いをじっくり観察してみてください。
ちなみに、深海コーナー4番目の水槽では、世界最大のカニ、タカアシガニも展示しています。世界最大のエビとカニをあわせてごらんください。
※タカアシガニのニュース「
世界最大のカニがやってきた」(2010年02月26日)
〔葛西臨海水族園飼育展示係 中沢純一〕
(2010年07月02日)