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カイツブリのひな、続報
 └─井の頭 2010/06/11

 井の頭自然文化園で、2010年5月19日と22日に孵化したカイツブリのひなは順調に育っています。孵化したばかりのころは、親の背中に入ってしまい、餌を食べる時以外、ほとんど出てきませんでした。

 現在、親の背中にいる時間は短く、巣のまわりや水面に浮いている時間が長くなってきました。ときおり水中を覗くようなしぐさを見せ、自ら潜水するようになりました。まるで練習をしているかのように、何度も何度も繰り返し潜ります。
 ひな用の餌として、コオロギやミールワームを与えていますが、最近は親がとってきたモツゴなどの小魚も食べるようになり、また、自力で近くにいる小魚を追いまわすようにもなりました。

 毎日飼育係が水槽内に入って掃除をおこなっていますが、そんなときには、親の背中に逃げ込もうとします。大きくなったひなを背中に乗せている親鳥の姿は、さすがに窮屈そうです。親も背中に乗られるのを嫌がっているように見えます。

 2羽のひなが順調に育っているさなか、親のようすがおかしいのに気づきました。今までの巣を放棄して、せっせと新たな巣を作り始めたのです。そしてその巣に卵を産んだのです。しかし、新しい巣は不完全なもので、結局産んだ卵は水没してしまいました。

 今までの巣には、孵化しなかった卵が1つと、産卵数を制限する目的で作った擬卵が5つ入れてありましたが、親はこれらの卵を巣ごと放棄してしまったのでした。結局、飼育係が少し手を貸して巣を作りなおし、擬卵を入れましたが、今後また産卵するのか、また、いくつ産むのかを注意深く観察していきたいと思います。

・カイツブリのひなの孵化
・カイツブリの子育て、その2

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 中村浩司〕

(2010年06月11日)



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