上野動物園の子ども動物園に昨年(2008年)10月24日、ヒツジの一種マンクスロフタン1頭が来園。マロンと命名されたこの個体に初めて毛刈りをおこないました。2009年5月4日と5日には、コリデール種のヒツジの毛を刈ります。
・東京ズーネットBBの動画「
マンクスロフタン来園」(2008年10月撮影)
長野の高原から来たマロンにとって、初めて迎える東京の夏。さっぱりさせてやろうと取りかかったのは、昨年もヒツジをきれいに刈ったベテラン職員です。
・ニュース「
ヒツジの毛刈りが見られます」(2008年5月2日)
しかし相手は4本角のヒツジ。しかも、これまで子ども動物園で毛刈りをしてやったことのない個体です。そこで、4月20日の休園日に毛を刈ることにしました。別のベテラン職員が角を持ってマロンを押さえます。ところが、刈り始めるとすぐに電動バリカンが動かなくなってしまいます。コリデール種のヒツジとはくらべものにならない量の油が毛についている上、毛も密に生えているため、バリカンが止まってしまうのです。寒くて雨の多い北海の品種だからでしょう。
少し毛を刈っては、中性洗剤を溶いたぬるま湯でバリカンの歯を洗い、約40分で作業は終了。きれいに刈れました。見た目の大きさが一回りも二回りも小さくなったマロンですが、これで東京の暑い夏を乗り切ってくれることでしょう。
さて、子ども動物園「なかよし広場」では、コリデール種とセントクロイ種というヒツジを放し飼いにしています。肉用種のセントクロイの毛は、ヤギと同じく自然に生え変わりますが、人間が毛を利用するために改良されたコリデールの場合、毛は伸び続けます。
子ども動物園では毎年ゴールデンウィークのころ、2頭のコリデールの毛刈りをお見せしています。暖かくなり、梅雨が来る前のこの時期が毛刈りには最適なのです。電動バリカンで刈りますが、コツは「ヒツジに催眠術をかけるテクニック」。催眠術がうまくかかれば、眠ったような状態で毛を刈られるヒツジが見られるかもしれませんよ!
本場オーストラリアの羊飼いのように上手にはできませんが、飼育係が(ヒツジとともに?)汗だくになりながらがんばります。年に一度のヒツジの「衣替え」を見に、どうぞ上野動物園の子ども動物園へ!
毛刈りは、
2009年5月4日(月)、5日(火)の午前11時から、「なかよし広場」の奥にある屋根つきスペースでおこないます。
〔上野動物園子ども動物園係 高橋美紀〕
(2009年04月25日)