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続・新たな視点で見てみると(7)──「海中のウシ」?
 └─葛西  2009/01/02

 あけましておめでとうございます。おひさしぶりの「続・新たな視点で見てみると」は、新年の干支「丑」(ウシ)にちなみ、葛西臨海水族園周辺の海で撮影した「ウミウシ」の映像をお届けします。

 「新たな視点で見てみると(23)」でもお伝えしたとおり、水族園周辺の環境を知るために、私たちは海に潜って生き物を調査しています。私もこの調査に参加しており、回数は少ないものの、10年前から海に潜っています。

新たな視点で見てみると(23)

 葛西臨海水族園は東京湾の奥部にあり、荒川と旧江戸川の河口に囲まれていて、塩分濃度など環境の変化が激しいところです。そのため、多くの種類の生き物が安定的にくらしていける場所ではなく、自分が知るかぎり、ウミウシのなかまも2種類しか観察されていません。

【動画:葛西臨海水族園周辺の海で見た「ウミウシ」たち】

 ・Windows Media形式
 ・QuickTime形式

 映像の前半で映っているのは、上記「新たな視点で見てみると(23)」でもお伝えした「アカエラミノウミウシ」(だと思われますが、よく似た別の種類も知られています)、後半は「ウミフクロウ」です。ウミフクロウは明るいところがあまり好きではないようで、水中ライトの光をいやがって砂に潜ろうとしています。

 「何だよ、『フクロウ』って! 『ウシ』じゃないじゃない!」とお叱りを受けそうですが、ウミフクロウも広い意味ではウミウシのなかまです。ネッ、頭にツノも生えている(ように見える)でしょ。

※潜水調査には特別な許可を得ています。葛西臨海水族園の前の海は遊泳禁止です。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2009年01月02日)



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