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大きな口で卵を守る、ファインスポッテッドジョーフィッシュ
 └─葛西  2008/12/19

 葛西臨海水族園「世界の海」エリアの「バハカリフォルニア」水槽で、ファインスポッテッドジョーフィッシュ(以下、ジョーフィッシュ)が産卵するようになりました。オスが卵を口にくわえて守るようすが観察できます。

 「バハカリフォルニア」水槽では、昨年(2007年)2月から2尾のジョーフィッシュを展示しています。

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 「ファインスポッテッドジョーフィッシュ、展示開始

 大きな顎を持つこのなかまは、オスではとくに顎が大きく発達するため、成熟すると外見で雌雄を見わけることができます。展示開始当初はまだ若い個体だったため、はっきりと区別できませんでしたが、一応オスとメスであると考え、いつの日かこのペアで繁殖してくれるものと期待していました。

 そして、展示開始から1年半ほどたった今年(2008年)9月、メスの産卵が確認されました。しかし、一方の“オス”は卵を守らず、それどころか食べてしまったのです。その後も、メスの産んだ卵を“オス”が食べてしまうことがあったので、あらためてこの個体をよく観察すると、たしかにメスに比べれば顎が発達しているようにも見えますが、ほんとうにオスなのかどうか、疑わしく思えてきました。

 予備水槽にはあきらかにオスとわかる個体がいたので、展示水槽のオスと入れ替えてみたところ、それから間もなく、展示水槽内でオスが卵の保護を始めました。卵一つ一つの大きさは直径1ミリほどですが、卵が集まった直径6~7センチの塊を、オスは大きな口いっぱいにくわえ、ときどきモゴモゴと動かしています。

 卵は9日ほどで孵化します。今のところ、メスは約2週間おきに産卵しているので、オスは3~5日休んだ後、また次の卵を守ることになります。こうして、これまでに4回の産卵を確認しました。

 このメルマガが発行されるころには、5回目の卵の保護が始まっていると思います。葛西臨海水族園で、水槽の底の巣穴から顔を出しているジョーフィッシュの口もとに注目してください!

写真:口の中で卵を守るオス

〔葛西臨海水族園飼育展示係 兒玉雅章〕

(2008年12月19日)



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