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在来牛「見島牛」と在来豚「アグー」「アヨー」登場!
 └─上野  2008/12/12

 上野動物園では、少なくなりつつある日本在来の家畜の保護や展示に取り組んでいます。これまで、在来馬「トカラ馬」「木曽馬」「野間馬」、在来山羊「トカラヤギ」、在来牛「口之島牛」が来園しました(口之島牛来園のニュース)。

 さらに2008年12月12日、山口県萩市の見島に残る在来牛「見島牛」(みしまうし)と、沖縄の在来豚「アグー」「アヨー」を子ども動物園で公開します!

 見島牛は、日本古来の小型牛です。体は黒褐色で、鼻先も舌もひづめも黒色。オスにもメスにもツノがあります。かつては農耕や運搬などに重宝されていましたが、現在は、ホルスタイン種のメスとの「一代雑種」が「見蘭牛」(けんらんぎゅう)という名で肉牛として利用されています。1928年、見島は「見島ウシ産地」として国の天然記念物に指定されました。

 来園したのは、2007年12月31日生まれのオス。来園日は2008年11月27日です。名前は「初春」(はつはる)です。

 アグーは、14世紀に中国から持ち込まれた中国系の豚とバークシャーを交配して生まれました。沖縄では「島豚」と呼ばれています。全身黒色で耳は大きく垂れています。体の後半の発達はあまりよくなく、背もへこんでいて短躯。お腹は垂れて地面に接触することもあります。体質は強健。病気に強く、粗食に耐えます。発育が遅く、出産する子の数も少ない種類です。

 アヨーは、アグーが「島豚」と呼ばれるのに対し、「唐豚」と呼ばれています。1844年、難破船救助の謝礼としてイギリスから琉球王府に寄贈された豚が起源だと伝えられています。体には黒斑と白斑があります。島豚に似ていますが、島豚ほど背はへこんでいません。性質は温和で、肉豚としてよく育ちます。

 アグーとアヨーが来園したのは、2008年11月7日。いずれもメスで、アグーは2008年6月3日生まれ、名前は「チルー」。アヨーは2008年2月23日生まれ、名前は「カマデー」です。

写真上:見島牛
写真中:アグー
写真下:アヨー

(2008年12月12日)



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