ニュース
世界カワウソの日のイベントを開催しました
 └─ 2019/07/13

 上野動物園では、世界カワウソの日である5月29日(水)にコツメカワウソのスペシャルトークとクイズをおこないました(イベントの詳細はこちら)。


 まずは上野動物園の職員が、カワウソの生態について、次のようなトークをおこないました。

  • コツメカワウソはカニやエビなどの甲殻類を鋭い牙でかみ砕いて食べる。
  • その他に魚なども食べるため、動物園では毎日えさに変化をつけている。
  • 岩の隙間からカニやエビを捕まえるため、手先の器用さが特徴。
  • 動物園には長い水場があるため、ほとんど波が立たない見事な泳ぎ方を見ることができる。


 次に、野生生物の取引を調査・監視する「TRAFFIC(トラフィック)」の方に、コツメカワウソの現状についてお話しいただきました。

  • かわいさばかりが強調されたマスメディアやSNSの発信によって、コツメカワウソはペットとして飼えるという誤解が広がり、近年コツメカワウソの密輸が増加している。
  • 密輸される際、飛行機で鳴き声をあげないよう睡眠薬をのまされたり、発見された時には死んでいたりするケースも多い。
  • 輸入の際に「このカワウソは繁殖施設で生まれた」という記録があっても、実際には密猟された野生個体の可能性は否定できない。
  • すでに絶滅の危機にあるコツメカワウソが、密輸により本当に絶滅してしまうかもしれない。


 最後にカワウソについての〇×クイズをおこないました。
 問題の中に「カワウソを飼ってみたいか」と問い合わせたところ、全員「✕」というとても嬉しい結果となりました。


 カワウソは、決して一般家庭で飼いやすい動物ではありません。また、かわいい、飼いたいという気持ちが、違法取引という思わぬ波紋を呼んでいます。野生生物であるカワウソを飼ったり触れ合ったりすることは、人間にもカワウソにとってもリスクの高い行為であると知っていただければと思います。

◎訂正
 イベント内で紹介したコツメカワウソのえさの量に間違いがありましたので訂正します。
 正しくは1日1頭あたり鶏頭1個、アジ150g、煮甘藷10g、リンゴ10g、バナナ10g、キビナゴ・ワカサギ・イカ・オキアミ・ザリガニ・タニシの中から日替わりで150gです(2019年6月現在)。

〔上野動物園教育普及係 鈴木佐知子〕

(2019年07月13日)


ページトップへ