毎年3月に発情期を迎えていたジャイアントパンダのメス「シンシン」。今年(2015年)の春は発情が訪れませんでした。
・記事「
ジャイアントパンダの繁殖についての状況報告」(2015年6月3日)
これまで、夏から秋にかけて発情が見られた例も報告されています。いつ発情が来るかわからない状況の中で、兆候を見逃さないよう私たち飼育係は日々工夫を重ねています。
そのひとつがえさの与え方です。タケの種類、与える量、与えるタイミング、与える場所について、これまで以上に気を配っています。というのも、いつもと異なる状況が生じたとき、採食のようすに顕著に反映されるからです。そこで、採食のようすを観察し、前後の行動も含めた総合的な状況を把握するよう心がけています。
そのため、ときには来園者のみなさんから見えにくいところでタケを食べたり休息したりすることもありますが、どうぞご理解いただきたく思います。
なお9月以降、パンダ舎周辺では施設改修などにともなう工事がおこなわれています。電動工具の音や金属音、振動を嫌うジャイアントパンダのために、タケを置く位置も慎重に判断しています。工事は来年(2016年)4月ごろまで続きます。今後もパンダが見えにくい時間があるかもしれませんが、どうぞご了承ください。
〔上野動物園東園飼育展示係 倉持浩〕
(2015年10月09日)