以前のニュースでお伝えしましたが、2014年6月12日に上野動物園両生爬虫類館のサビトマトガエルが産卵し、孵化したオタマジャクシを展示していました。
・
「サビトマトガエルのオタマジャクシ展示中」(2014年07月04日)
そのオタマジャクシたちが成長し、7月中旬から上陸し始め子ガエルになったのでその一部を9月2日から展示しています。
おとなのサビトマトガエルは、その名の通り赤からオレンジ、黄色などトマトのような色をしています。しかし、子ガエルになりたてのときは、全身が灰褐色の地味で目立たない色をしています。
この体色は頭の方から徐々に変化していきます。初めに黒みがなくなって薄い黄褐色のような色になり、その後おとなのサビトマトガエルのように赤みや黄色みがさしてきます。また、お腹側も徐々に白くなっていきます。
成長するにつれて出てくるこの体色は「警告色」だと考えられています。警告色とは、有毒であることを敵に対してアピールするための目立つ色です。サビトマトガエルは捕食者に襲われると体を膨らませて威嚇し、さらに皮膚から白い粘液を分泌します。この分泌物は、捕食者にとっては味の悪い不快なもののようです。
なお、この粘液を分泌するようになる時期と色が変わる時期の関係ははっきりとはわかりませんが、灰褐色の子ガエルを指でつついてみても、粘液を確認することはできませんでした。
おとなのサビトマトガエルも展示していますので、ぜひ色を見比べてみてください。色はどんどん変わってきますので、お早めにいらしてください。
写真:サビトマトガエルの幼体
〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 船藤史〕
(2014年09月19日)