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サビトマトガエルのオタマジャクシ展示中
 └─上野  2014/07/04

 サビトマトガエルは、名前の通り体表に「サビ」のような模様があり、トマトのような赤やオレンジ色をしたカエルです。マダガスカル東部の森林に生息し、沼地などで繁殖します。

 上野動物園両生爬虫類館(ビバリウム)の飼育室で、2014年6月12日サビトマトガエルが産卵しました。産卵数は約3000個で、卵は粘液でゆるく繋がったまま水面に浮かんで広がっていました。2日後にはほとんどの卵が孵化し、オタマジャクシが順調に育っているため、その一部を6月25日から外国産両生類のコーナーに展示しました。

 多くの種類でオタマジャクシの口には歯があり、コケや葉などを削り取って食べますが、このオタマジャクシには歯はないようです。泳ぎながら常に口をぱくぱくと動かして水を吸い込み、水中の植物プランクトンなどを鰓(えら)で濾しとって食べます。現在、藻類のクロレラの粉末を餌として与えていますが、食べたクロレラが溜まって緑色になった鰓や腸が見えます。

 しかし、そのクロレラが片方の鰓だけに溜まっている個体が多く見られます。また、成長するにつれて鰓が緑色になっているようすを確認できなくなりました。

 小さな体の中で何が起きているのかわかりませんが、興味深い食べ方をしています。

 展示水槽は小さいのですが、ぜひそのようすを観察してみてください。孵化してからカエルになるまでの約1か月半〜2か月、期間限定の展示となりますのでお早めにごらんください。

写真:鰓の中のクロレラが透けて見えるオタマジャクシ

〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 船藤史〕

(2014年07月04日)



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