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タテガミオオカミ、オスとメスの同居
 └─2010/05/14

 上野動物園では2010年4月25日、タテガミオオカミのオスの「ジグ」とメスの「エノン」を同居させました。

 4月1日にエノンをタテガミオオカミ舎に搬入してから、2頭の部屋の間をメッシュ扉にして、お見合いをさせました。メスのエノンは時折オスのジグの部屋の方を興味をもって見ていましたが、エノンが扉の近くにいると、ジグは「ヴォッ、ヴォッ」と声を上げて、こっちへ来るなと威嚇する状態でした(エノン搬入のニュースはこちら)。

 同居の作業は、開園時間の少し前からおこないました。初めエノンからジグに近づくとジグが嫌がり、両者は後肢で立ち上がって吠えあいました。結局ジグは隅っこに追いやられ、一方エノンは、初めて入った放飼場をうろうろと探索しはじめました。

 その後、ジグもだんだん動き出し、頻繁に尿でマーキングをおこないながら自分の場所をアピール。約1時間で完全にエノンを放飼場から追い出しました。2頭は室内と放飼場に分かれて休息することで、大きなトラブルにまではいたらなかったため、そのまま終日同居となりました。

 同居を始めて3~4日たつと、だんだんと2頭の距離が近くなり、排泄も同じ場所でするようになりました。

 最近のエノンは、ジグの陰部の匂いを嗅いだり、同じ餌鉢にジグが割り込んできて食べても許すようになりました。 ジグの方は、近づきすぎを警戒するときは相変わらず「ヴォッ」と鳴いたり唸ったりして注意を促しています。内気なジグと物怖じしないエノン、今後も2頭の関係の変化には注目!です。

〔上野動物園西園飼育展示係 多田和美〕

(2010年05月14日)



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