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エノン帰ってきました! タテガミオオカミのメスの搬入
 └─上野  2010/04/09

 上野動物園西園にタテガミオオカミの新展示場が完成して4か月。待望のメスがやってきました!

 このメスは、ブリーディングローン(繁殖を目的とした貸借契約)によって2004年から和歌山県白浜のアドベンチャーワールドに貸し出されていた、上野動物園生まれの7歳、メスの「エノン」です。6年ぶりに帰ってきました。

 約2週間の検疫を終え、2010年の4月1日の朝、開園前に動物病院からタテガミオオカミ舎に移しました。移動するには輸送用の箱に入ってもらわなくてはならないのですが、こういった作業は、人が大勢集まるといつもと違う雰囲気になり、動物によってはなかなかこちらの思うようにいかないこともあるのですが、エノンは箱の扉を開けるとすっと素直に入ってくれました。

 体重を計ると29キログラム。そしてタテガミオオカミ舎の部屋に入れるときも、箱の扉を開けるとすんなり出て移動しました。アドベンチャーワールドから聞いていましたが、エノンは人に慣れていて、物おじしない性格のようです。

 部屋に入ると、全体をぐるりと点検した後、床暖房の入った、暖かくてワラのしいてある場所に、前から知っていたかのように座りました。ここは、寝床として用意してあった場所です。人間が近づいても、エノンはどっしりと座ったまま驚くこともありません。とても落ち着いているので、こちらも安心しました。

 一方、対照的にシャイな性格のオス「ジグ」は隣の部屋にいて、チラチラとエノンの方に目をやるのですが、エノンが見えるたびに体をビクビクと震わせていました。

 タテガミオオカミは肉類と植物類を同程度の量食べることが知られていますが、飼育用の餌として手に入る植物類はなかなか安定して食べてくれません。エノンは今のところ青草が好物のようで、与えるとよく食べています。今後、餌も工夫し、健康に注意しながら飼育していきたいと考えています。

 エノンを飼育舎に移して2日後、室内では柵ごしにジグとのお見合いをさせています。今後、2頭のようすを見ながら同居させる予定です。

・これまでのニュース
 「タテガミオオカミとヤブツカツクリを移動
  (2009年12月31日)

〔上野動物園西園飼育展示課 多田和美〕

(2010年04月09日)



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