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特設展「両生爬虫類鑑 あし」紹介──3「ほる」
 └─2010/04/16

 現在、上野動物園の両生爬虫類館では、2010年3月16日から12月26日まで、特設「両生爬虫類鑑 あし」を開催中。個々の展示紹介の第3回は「ほる」。

 ・第1回「はねる」
 ・第2回「およぐ」

 さて、右の写真をごらんください。珍妙なすがたのこのカエルの名前は「マルメタピオカガエル」です。

 マルメタピオカガエルが生息している地域には乾季と雨季があり、乾季になつと、池や沼は干上がってしまいます。両生類は一般に、「水」から離れて生きることがむずかしい動物です。では、水がなくなり、乾燥していく環境で、マルメタピオカガエルはどのように生き延びているのでしょうか?

 水分の損失を防ぐために、彼らはまず土に潜ります。そのとき活躍するのが後肢です。マルメタピオカガエルの後肢には「内蹠隆起」(ないせきりゅうき)と呼ばれる黒い角質の突起があります。彼らはこの後肢を使って、後ずさりしながら潜っていくのです。

 「内蹠隆起」は土に潜るタイプのカエルに見られるます。たとえば、日本のヒキガエルにもこの突起があります。

 土に潜ったマルメタピオカガエルは、体のまわりに「繭」(すぐ頭に浮かぶカイコの繭とは異なります)を作り、雨季がやってくるまでジッと耐えるのです。

 特設展示でも、ジッと耐えてもらっている個体がいます。ぜひこの機会にご覧ください。

・東京ズーネットBBの動画「マルメタピオカガエル、土に潜る

〔上野動物園は虫類飼育展示係 木村隆司〕

(2010年04月16日)



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