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スイギュウの健康管理
 └─ 2022/09/16
 多摩動物公園では現在、「まる」(メス、2013年生まれ)と「幸吉」(オス、2018年生まれ)の2頭のスイギュウを飼育しています(2頭の来園についてはこちらをご覧ください)。

 今回はスイギュウの馴致についてご紹介します。動物園での馴致とは、動物を物や人に対して慣れさせていくことを意味しています。


「まる」の曳き牛をおこなっているようす

 上の写真は曳き牛のようすです。曳き牛とは、鼻についているひもに手綱のロープをつけて牛を曳いて歩くことです。曳き牛をおこなう際に、近くで体を見たりさわったりすることで体に怪我や異常がないかチェックします。直接さわることができるため、いち早く異常に気づくことができます。

 来園当初は手綱をつけて放飼場を歩く練習から始めました。2頭が曳かれることに慣れると、次のステップとして、ふだん使っていない部屋に入る練習を始めました。これは体重測定を目的とした練習です。

 まるはすんなりと部屋に入ってくれましたが、幸吉は扉の前で止まってしまい、入るのをいやがりました。そこで幸吉のペースに合わせ、馴致をおこなうたびに少しずつ進む距離を伸ばして部屋へ誘導していきました。初めは部屋に入るのをいやがった幸吉も、いまではスムーズに入るようになりました。

 現在、幸吉は体重測定で使用する板を部屋の中に置いてその上を歩く練習をしています。体重をはかるためには板の上でじっとしていなければいけません。板をこわがらずに留まることができるようになることが、幸吉の現在の目標です。

 一方のまるは、エコー検査の練習を始めました。これは健康管理の一環と、妊娠した場合に備えておこなっています。エコー検査では部屋の中にある柵につなぎ、獣医に検査をしてもらいます。検査をおこなう際にジェルや機械を使用するため、まるも初めて見る道具、その感触に警戒していて、なかなか思うように検査できません。スムーズに検査ができるようになるにはまだ少し時間がかかりそうです。

 このような馴致をおこなう際には、2頭のモチベーションが下がらないようにご褒美をあげています。たとえば2頭が好きな(えさである)圧ぺん麦です。

 馴致をこれからも継続しておこない、2頭の健康管理に努めていきたいと思います。まると幸吉にぜひ会いに来てください。

〔多摩動物公園南園飼育展示第1係 髙石〕

(2022年09月16日)
(2023年04月13日:まるの生まれた年を修正)



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