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アジアスイギュウ2頭が由布島(沖縄県)から来園しました
 └─ 2021/05/18
 2021年5月2日に2頭(オス1、メス1)のスイギュウが、沖縄県八重山郡竹富町(西表島)にある由布(ゆぶ)島から多摩動物公園に来園しました。

 2頭の名前は由布島で飼育されていたときからの名前を引継ぎ、オスが「幸吉」(2歳)、メスが「まる」(8歳)といいます。幸吉はまだ小さく、幼さの残る顔立ちです。まるは出産経験のある成獣です。

運搬車内の「幸吉」(手前)と「まる」(奥)。
長旅を経て園に到着
スイギュウ舎内でのようす

 当園では2015年12月に飼育していた最後の1頭が死亡し、スイギュウの展示を一時中断していました(死亡時のお知らせはこちら)。その間、新アジアゾウ舎の新設に伴い隣接するスイギュウ舎の放飼場も改修して、新たなスイギュウの導入準備を進めてきました。

 2頭は4月28日にコンテナ船で由布島を出発し、石垣島経由で鹿児島に到着しました。その後は、家畜運搬車に乗せ換えて陸路を使用し、合計3泊4日の長旅の末、当園に到着しています。

 2頭はスイギュウ舎に収容後、すぐに水を飲んだり、えさを食べたりし、1時間後には座って休むようすも見られました。現在は屋内にて落ち着いてすごしており、病気の有無などを調べる検疫が終了ししだい、屋外放飼場へ出す訓練をはじめ、展示にむけて徐々に新しい環境に慣らしていく予定です。

 今回来園した2頭のふるさと由布島は、沖縄本島から南西に400~500kmに位置する八重山諸島にあります。イリオモテヤマネコで有名な西表島には浅瀬で隣接しており、西表島から徒歩や水牛車に乗って渡ることができます。この水牛車をひいているのが、由布島でくらすスイギュウたちです。由布島では昔からスイギュウが田畑を耕すために用いられ、人の生活と関わりながらくらしてきました。現在では観光に活躍の場を移し、観光用の水牛車をひいたりスイギュウのくらしぶりを見せたりしています。

 由布島のスイギュウは産まれてすぐ人が密接に関わり、大切に育てられながら、4年かけて水牛車をひけるようにトレーニングされます。そのため、非常によく人になれています。
 当園にやってきた幸吉はまだ若いため水牛車をひいてはいませんでしたが、まるは実際に水牛車をひいていました。こうした生活を送ってきた2頭は人によくなついており、当園に到着後も、スイギュウ舎の横に停車した運搬車から職員が手綱を引きながら、歩いて屋内施設へ入りました。

 由布島の方がおこなってきたスイギュウの飼育方法を受け継ぎながら、今後は動物園で飼育をしていければと思っています。

由布島のスイギュウと水牛車
由布島のスイギュウ飼育場のようす

 現在多摩動物公園は臨時休園中ですが、今回の導入により約5年半ぶりの飼育再開となります。1日でも早く、来園者のみなさんに新しい2頭のスイギュウの姿を直接ご覧いただけることを願っています。

(2021年05月18日)
(2023年04月13日:まるの年齢を修正)


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