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新しいライオン園のライオンたち
 └─ 2021/08/06
 多摩動物公園のライオン園は、ライオンバス乗り場の耐震化およびバリアフリー化、それにともなう放飼場工事のため、2016年3月31日からライオンバスが休止していましたが、2021年7月3日にリニューアルオープンしました(運行再開のお知らせはこちら)。

 新しいライオンバス乗り場は、ライオンについて詳しく解説された展示エリアやライオンの放飼場を一望できる観覧エリアがあり、時間指定の乗車券を購入することで並ばずに乗車できるようになりました。また、エレベーターの設置や車椅子での乗車など、来園者のみなさまの利便性が大いに向上した施設となりました。

 そしてこの新しい放飼場で飼育管理されているライオンたちですが、リニューアル工事期間中に群れのオス3頭(兄弟)を高齢のため引退させ、新しいオス2頭に代えていますが、そのほかのメスは5年前の放飼場で飼育管理されていた個体たちになります。


新しい放飼場でのライオンたち

 ライオンの群れはいつもいっしょにいるイメージですが、仲がよくないものもいて、まれに小競り合いになることもあります。広い放飼場でしたら距離をとって回避できるようなケースでも、工事期間中は放飼場の一部を利用した仮設放飼場やライオン舎にある小放飼場(サファリ橋下)で飼育管理していたため、小競り合いを回避することが難しく、トラブルに発展してしまう可能性がありました。

 一方で、仲がよくないものどうしを完全に分けて飼育してしまうと、群れの形が失われてしまうことも考えられたため、トラブルなく、かつ群れを維持していくことが工事期間中の課題でした。放飼頭数を絞り仮設放飼場や小放飼場に出す個体の組み合わせを変え、1週間でなるべく群れのどの個体ともいっしょになるようにし、また夜間寝室でも同様に組み合わせを変えて、常にひとつの群れであることを意識させるように心がけて飼育管理をおこないました。


ある日の寝室

 その成果もあり、群れが壊れることなく新しい放飼場に戻せ、現在は日替わりで7~8頭のライオンの展示ができています。また、メスたちは5年前の放飼場とライオンバスの記憶が残っていたようで、すぐに放飼場内の牛骨が付いた台に上がり、ライオンバスが練習で走り出してからはバスにつり下がった馬肉片を食べるようになり、5年前と同じ光景が見られるようになりました。

 今回の新しいバス乗り場、特にバスの出入り口の扉のギミック感はわくわく感を掻き立てる感じになっていますし、放飼場自体は見渡しよくサバンナの平原を走行しているような感じになりますので、記憶に残る展示になっていると思います。多摩動物公園にお越しの際は、ぜひライオンバスにご乗車いただき、間近でライオンをご覧いただけたらと思います。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 八坂〕

(2021年08月06日)



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