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キリン舎整備の準備として動物たちの引っ越しが続きます
 └─2017/06/07

 多摩動物公園では新アジアゾウ舎の工事に続いて、昆虫園に向かう坂道からその先のアフリカ園にかけてのエリアを中心に、各所で工事が始まりました。ご来園のみなさんにはご不便をおかけしております。

 最近お越しいただいた方は、小さな“異変”にお気づきかもしれません。「地理的展示」、つまりアジア園、アフリカ園、オーストラリア園など、動物の生息地に応じて展示エリアを構成しているのが多摩動物公園の特徴の一つですが、最近、アフリカ園の動物がアジア園へ進出しているのです。

 今年(2017年)4月19日、以前モウコノウマを展示していた「さくら広場」近くの動物舎にダチョウを移したことは先日お伝えしました(お知らせ)。これを皮切りに、5月24日にはグレビーシマウマ2頭、そして5月31日にはシロオリックスのオス1頭も加わりました。

 多摩動物公園では、ライオンバスの駅舎建て替え(お知らせ)と同じく、キリン舎の耐震化を計画しています。その準備として「動物たちの引っ越し」を進めているのです。

 動物を搬出入したり、園内で移動させたりするとき、大型の動物は専門業者を手配することが多いのですが、今回は中型の動物ですし、園内の短かい距離を短時間運ぶだけなので、すべてを飼育係がおこなっています。


グレビーシマウマの移動作業

 短距離・短時間とはいえ、通常の搬出入と同様、前もって動物を箱に慣らし、箱に収め、それを運んで、無事に箱から出す──文字で書くと簡単そうですが、中型動物とはいえ箱の重さを加えると数百㎏になるので、全行程において動物と飼育係の双方に大きな危険が潜み、大変緊張する作業です。しかも休園日に限った作業ということもあって、多い日は1日に2頭を移動します。一連の作業を連続してこなすことは、通常の搬出入作業とは比べられない大変さがあります。

 暑さ、寒さも動物の移動を制限しますので、梅雨明けまでを一つの目安に、もうしばらく「引越し」は続きます。最終的には、現在のサバンナにはキリンとペリカン類だけが残り、この先、シロオリックスのメスたちはシフゾウ舎の一角、ニホンカモシカの裏側に間借りをする予定です。

〔多摩動物公園北園飼育展示係〕

(2017年06月07日)


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