こちらでお伝えしたとおり、多摩動物公園のライオン園では、バス乗り場の耐震化とバリアフリー化のために駅舎を建て替えることになり、2016年4月1日から運行を休止しています。
ライオン園は、ライオンの飼育管理をおこなう飼育展示係と、ライオンバスを運行する京王バスの運転手が共同で管理する特殊な場所でした。3月に入って運行休止を目前にすると新聞やテレビなどでも報道され、ゴールデンウィークなみにたくさんの方々にご乗車いただきました。
2016年3月31日、ライオンバスがしばらくお休みに入る前のライオン園付近
晴れた休日などは乗車まで約3時間待ちになることもありましたが、最終日の3月31日は平日ということもあり、心配していたほどの混雑にはなりませんでした。最終バスは満員でしたが、いつもとあまり変わりない中、約52年におよぶライオンバス駅舎の歴史は幕を閉じました。
ライオンバスの運行再開まで、車体そのものは動物園の外で管理します。休止期間中に運転やメンテナンスをしておかないと動かなくなってしまうためで、車体の維持管理は京王バスにお願いしてあります。
現在のライオン園にライオンバスはありませんが、ライオンの展示は通常どおりおこなっています。新駅舎はまだ設計の段階ですが、それに先立ち、仮設の放飼場を作る予定です。仮設放飼場ができるまで1〜2か月ほどかかると思われますが、この期間だけはライオンを見ることができなくなります。仮設放飼場の着工時期は未定ですが、詳細がわかりしだいお知らせします。
最近のライオン園
バスがなくなった後、ライオンたちにとくに変わったようすは今のところ見られません。今後、仮設放飼場を工事するあいだはライオンを外に出せなくなりますし、仮設放飼場は今のライオン園よりだいぶ小さくなってしまいます。心配は尽きませんが、ライオン一頭一頭の健康管理と一つの群れとしての維持管理に気をつけながら、今後も飼育管理を進めていこうと考えています。
〔多摩動物公園北園飼育展示係 八坂圭悟〕
(2016年04月29日)