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サーバルジャンプ、再開!
 └─2017/02/24

 多摩動物公園では、アフリカのサバンナにすむ小型のネコ科動物、サーバルを飼育しています。野生ではネズミなどの齧歯類や小鳥など、小型の獲物を捕まえ、ときには飛び立つ鳥をジャンプして捕まえることがあります。このように跳躍力が優れているので、サーバル舎は鳥かごのように天井まで金網で覆われています。

 これまでその跳躍力を見ていただくために、地上3メートル弱程の高さに馬肉を吊るし、サーバルがジャンプをして取る姿をご覧いただく「サーバルジャンプ」というイベントをおこなってきました。しかし個体の高齢化にともない、このイベントも中止していました。


ジャンプする「ルナ」

 2015年秋、ひさしぶりに繁殖に成功。生まれたオスの「アポロ」とメスの「ルナ」は、昨年の春ごろからジャンプの練習を始めました。ところが、肉を吊るすために金網に登った係員を見て2頭とも驚いてしまったり、最初は練習どころではなかったのですが、係員や肉をつける紐にゆっくりと慣らしていき、練習を開始して1か月経つころには怖がらなくなりました。しかし、まだジャンプができるにはいたらず、子どもたちは母親の「ユリ」が取った肉をもらっていました。

 メスのルナがジャンプをするようになったのは、練習開始から1か月半が経ったころです。当初の高さは1.5メートルほどでした。ルナはそれからだんだんと高く跳ぶようになったのですが、問題はオスのアポロです。えさに対する執着は強い個体なのでジャンプしてくれるものと期待していたのですが、ルナがジャンプして取った肉を横取りすることを覚えてしまったのです。結局アポロはジャンプせず、“ずる賢く”肉を手に入れるようになってしまいました。


サーバルジャンプ(アポロ)

 2頭が1歳になるころ、母親のユリに発情が見られるようになったため、オスのアポロを「親子分け」しました(発情した親は、子どもといるのを嫌がったり、親子の間で発情行動が生じたりするので、そのころが親子分けのタイミングです)。すると、横取りをするアポロがいなくなったせいか、余裕ができたルナはめきめきと上達。高さ3メートル近くのしっかりとしたジャンプができるようになったので、今年1月には待望のサーバルジャンプのイベントをおこなうことができました。


サーバルジャンプ(アポロ)

 一方のアポロは練習をしてもお気に入りの場所からほとんど動かず、やる気を見せてくれない時期もありました。しかし、地道に特訓を継続した結果、今年に入ってから2メートルを超えるジャンプがときどきできるようになりました。そしてルナに遅れること1か月、ついにデビューを果たしました。

 今後は定期的に「サーバルジャンプ」をおこなう予定です。開催予定はウェブサイトのイベント情報に掲載します。一人前になったアポロとルナの華麗なジャンプを見に来てください。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 新崎慶太〕

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(2017年02月24日)


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