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サーバルの赤ちゃん、すくすくと成長中!
 └─2015/10/23

 多摩動物公園で2015年9月28日、サーバルの赤ちゃんが2頭生まれました。母親の献身的な子育てのもと、2頭はすくすくと育っています。サーバルの赤ちゃんが無事に育つのは2003年以来、じつに12年ぶりのことです(2008年に「シオン」が繁殖しましたが、残念ながら死産でした)。

サーバル誕生のニュース(2015年10月8日)


 今回の母親「ユリ」は羽村市動物公園から2014年10月に多摩動物公園にやってきました。来園当初は約1歳だったユリの顔つきは幼く、行動にはあどけなさが感じられました。しかし、来園後1か月も経たないある日、運動場に出たユリから発情時特有の甲高い声が聞こえてきました。

 その後、ユリにかわって運動場に出たオスの「ポール」が、ユリの残したにおいを嗅ぎ取って鳴くという反応をわずかながら見せました。ユリが成獣ならこのタイミングでポールと同居させて繁殖を試みることも考えられますが、まだ成長途中なので見送りました。

 その後も定期的に発情の兆候を示すユリに私たちは期待ともどかしさを抱きつつ見守ってきました。ユリは来園から半年ほど経つ頃にはしっかりとした体つきへと成長。そして2015年7月13日、その日はやってきました。ふたたびユリに発情行動が見られたのです。

 数日前から鳴き始め、体を木や地面にすりつける行動が見られるようになりました。発情が強まっている証拠です。そこで格子越しにポールと見合いをさせました。やや戸惑っているようすが見られたものの、少しするとお互いに好意的な動きが見られたため、同居に踏み切りました。

 こちらの心配をよそに、同居直後からユリがポールに対して積極的に近寄り、ポールが後ずさりする姿さえ見られました。メスからここまで積極的な行動が見られるとは思ってもいませんでしたが、しばらくしてユリが立ち止まっているのを見はからってポールがマウントし、交尾にいたりました。

 ポールに交尾の経験はあったものの、初めてのユリはなかなか落ち着かないようすです。発情期間中に何度か交尾にいたりましたが、うまくいっているのか確信はもてません。

 それから約2か月経つ頃にユリのお腹がふくらみ始め、みるみる大きくなっていきました。サーバルの妊娠期間は75日ほどと言われていますが、最終交尾から73日目の9月28日、朝から出産の兆候が少しずつ現れ、15時11分に1頭目を出産、16時17分に2頭目を無事に産みました。初産だったので、ユリは生まれてきた子に戸惑いつつも、すぐに子の全身を丁寧に舐め始めたので、モニターごしに観察していた担当者たちも安堵しました。


 その後、現在にいたるまで、ユリは落ち着いて子育てをしています。生後15日目に体重を測定し、性別を確認したところ、1頭はオスで 648グラム、もう1頭はメスで 611グラムとわかりました。2003年に生まれたサーバルたちよりも大きく、ユリのしっかりとした授乳のおかげで赤ちゃんたちのお腹がふっくらとしていることも確認できました。

 今後母子の体調や子の成長を見ながら公開時期を検討します。順調にいけば11月上旬〜中旬12月中旬に放飼場にデビューする予定です。どうぞ楽しみにお待ちください。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 佐々木悠太〕

(2015年10月23日)
(2015年10月28日更新)


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