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個性豊かな3頭の子馬たち──モウコノウマ誕生
 └─2016/05/20

 お知らせしたとおり多摩動物公園でモウコノウマの「パーニャ」「エーコ」「ダイアナ」が続けて出産しました。3頭とも父親は「クヴァジー」で、子馬の性別はこの順にメス、メス、オスです。モウコノウマの子の平均的なサイズは体高80センチほどで、体重は25キロ前後です。見た目は全体的に白っぽく、たてがみと尾が縮れているのが特徴です。

パーニャ親子
エーコ親子
ダイアナ親子

 パーニャの出産は2016年3月26日でした。じつは予想よりも30日ほど早く、そのためかどうかわかりませんが、子馬の体も小さく感じられ、少し動いては体をプルプルと震わせていました。しっかり育つか心配していましたが、そんな不安をよそに元気に乳を飲み、よく寝て、今では元気な子馬に成長しています。先日無事に群れにも加わり、大きな運動場で駆け回っています。ほかの個体にも物怖じせずに近づいていく活発で好奇心の強い子馬です。

 次に出産したエーコは毛色が特徴的です。通常、モウコノウマはたてがみや四肢や尻尾が黒を帯びているのですが、エーコは真っ白です。このような個体は珍しく、本来のモウコノウマの毛色ではありません。この特徴が子にも受け継がれるのかどうか気になっていました。そんなエーコは4月12日の17時頃、寝室で出産しました。子はすぐ立ちあがり、初乳を吸い始めるまでに約30分しかかからず、あっという間でした。子を見るとすでにたてがみは黒っぽく、体も今までの子馬より茶色がかっており、エーコの毛色は受け継がれなかったようです。

 最後にダイアナが翌日4月13日、オスの子を出産しました。ダイアナもエーコと同じく出産は明るい時間帯で、気づくと子馬は室内で立っていました。馬のほとんどは暗闇に溶け込みやすい深夜から早朝にかけて出産をするといわれているので、明るい時間帯の出産が二回も続くことは珍しいことです。エーコの子とは違い、乳首ではない場所を吸ってしまい、なかなか乳が飲めなかったのですが、記録ビデオを確認すると、深夜に無事飲んでいました。鼻水が垂れるなどのようすが見られ、一時は心配しましたが、今では何かあったらすぐに母親ダイアナのそばに駆け寄るような甘えん坊に育っています。

 多摩動物公園では5月18日まで、子馬たちの名前を決める投票イベントを開催していました。じつは原稿執筆時点ではまだ名前が決まっていなかったのですが、まもなく決定です。親子たちといっしょに多摩動物公園でお待ちしています。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 野村星矢〕

(2016年05月20日)


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