多摩動物公園では、2012年4月にニホンコウノトリのヒナが相次いで孵化しました!
今年で連続25年の繁殖成功となりました。ヒナを育てているペアは、非公開エリアで飼育されているため、ご覧いただけませんが、すくすく育っています。
◎孵化したコウノトリ
孵化日:2012年4月26日(木)
2012年4月28日(土)
誕生数:2羽(その後1羽死亡、性別不明)
両親(本当の両親・AHペア)
:父親 J291
:母親 J052
仮親(育ての親・Yペア)
:父親 J265
:母親 J274
◎繁殖までの経過と公開について
当園では、ニホンコウノトリの血統を考慮し、計画的な繁殖をおこなっています。
2012年3月23日から29日にかけて、繁殖優先順位の高い「AH」ペアが、産卵しました。今まで多くの子孫を残している子育てが上手な「Y」ペアを仮親にし、この卵を抱かせたところ4月26日の夕方、無事に1羽が孵化し、もう1羽も4月28日朝に孵化しました。
28日に孵化した1羽は残念ながら、5月1日に死亡が確認されましたが、もう1羽は元気に育っています。性別は不明です。
なお、現在の飼育場所は、モウコノウマ舎上のコウノトリ舎ですが、非公開の隔離ケージで飼育しているためご覧になれません。
その後、さらにAHペアが産卵しているのを確認しました。今度は、このペアにそのままヒナを育てさせる予定です。うまくいけば、園路からは少し遠い距離ですが、子育てをご覧になれるかと思います。
◎多摩動物公園でのニホンコウノトリの飼育について
多摩動物公園では、1988年に日本で最初となる飼育下でのニホンコウノトリ繁殖に成功して以来、順調に繁殖が続いており、今年で連続25年の繁殖成功となりました。
これまでに15ペアから172羽(今回の2羽を含む)のヒナが孵化しており、日本における飼育下でのニホンコウノトリ個体数維持に大きく貢献しています。
兵庫県豊岡市にある兵庫県立コウノトリの郷公園で実施されている放鳥事業(コウノトリを自然に帰す活動)に個体を提供するなどの協力もおこなっています。
◎飼育状況
2012年5月24日現在、多摩動物公園のニホンコウノトリは、オス25羽、メス23羽、そして今回の1羽で計49羽。
ただし、2012年5月29日に2羽移動するため、47羽になる予定(
くわしくはこちら)。
日本国内では、2011年末のデータによると、15の施設で、オス90羽、メス92羽、計183羽が飼育されています。
<関連ページ>
・
「ニホンコウノトリが兵庫県立コウノトリの郷公園へ移動します」(2012年05月24日)
・
「ニホンコウノトリの保全事業への協力について」
(2012年03月29日)
・
希少動物の飼育と保全
<関連動画>
・東京ズーネットBB「
よみがえる野生の翼」
(どうぶつえんシアターVol.03)
写真:仮親がヒナを大事に育てています
(2012年05月24日)