東京都と(公財)東京動物園協会は、都立動物園が保有しているニホンコウノトリの飼育繁殖技術を活用し、「コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム(※)」が進めるニホンコウノトリの保全事業に協力することにいたしました。
※コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム
野田市をはじめとする千葉県や茨城県など関東4県の29市町村で構成。代表理事は、根本崇 野田市長。
◎千葉県野田市のニホンコウノトリ保全事業
野田市は、「コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム」の先行的取組として、将来のニホンコウノトリの野生復帰に向け、平成24年度にニホンコウノトリの飼育繁殖施設の建設に着手し、施設完成後、飼育を開始する予定です。
◎東京都のニホンコウノトリ保全の取組
1972年から、多摩動物公園において、絶滅危惧種であるニホンコウノトリの飼育に取り組んできました。1988年には日本で初めて飼育下繁殖に成功したほか、1995年からはニホンコウノトリの国際血統登録(※)の役割を担うなど、国内外の動物園や保護施設と連携して保護増殖に努めています。
また、ニホンコウノトリの野生復帰については、1981年から兵庫県立コウノトリの郷公園に対する支援を続けています。今後は、「コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム」への支援も併せて、広域的なニホンコウノトリの野生復帰に貢献していきます。
※国際血統登録
国際血統登録とは、飼育されている動物の遺伝的な多様性を保ちながら計画的に繁殖させるために、世界中の動物園や保護施設等が協力して動物の血統に関する情報を記録するもの。
◎協力内容
今後、野田市に対して飼育繁殖をおこなうためのニホンコウノトリの提供および技術供与をおこなっていきます。具体的な協力方法については、野田市における施設整備や受入体制の準備状況を踏まえて、別途、調整していきます。
また、都立動物園内において、ニホンコウノトリの保全に関するシンポジウムの開催や来園者への積極的な情報提供などをおこなっていきます。
<関連動画>
・「
ニホンコウノトリ、不忍池の島に移動」(2010年12月撮影)
(2012年03月29日)