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続・新たな視点で見てみると(56)食事はベルトコンベアー式──エキセントリックサンドダラー(その2)
 └─2016/04/01

 葛西臨海水族園「世界の海」エリア「カナダ沿岸」の水槽では、丸くて平たいウニのなかま、エキセントリックサンドダラーを展示しています。前回の「新たな視点」では、このサンドダラーが砂の上を動き回り、えさをとるために立ち上がるようすをお伝えしました。

続・新たな視点で見てみると(55)

 海の中でサンドダラーは、潮の流れのできるところにくらしています。砂の上に斜めに立ち上がり、水流に乗って流れてくる小さなえさを、細かなトゲの生えた体表で捕らえています。えさはトゲの動きによって集められ、「食溝」と呼ばれる溝を進んで、下面にある口へと運ばれます。

トゲがすべて落ちたサンドダラーの殻。下面には口と肛門が開いており、中央付近にある口へと食べ物を運ぶ「食溝」が放射状に見られる


 今回の動画もタイムラプス映像です。サンドダラーがえさを食べる約1分間のビデオは、数秒ごとに撮影した写真を合計1時間24分間分つなぎ合わせて動画にしています。そして、たっぷりと食事をした後は出るものが出ます。動画の最後は通常のスピードに戻り、サンドダラーが「ふん」をするようすです。

【動画:サンドダラーの摂餌】
捕らえた食べ物を口に運ぶようす(タイムラプス映像)と「ふん」をする映像

 生息地の海中では1平方メートルあたり数百個体も集まることがあるというサンドダラー。無数の「1ドルコイン」が砂上に立つようすを実際に見てみたいものです。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2016年04月01日)


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