これまでもお伝えしてきましたが、クロマグロはとても神経質な魚です。水槽の環境が少し変わっただけでも落ち着かなくなることがあり、水流の向きや強さ、照明の位置なども、なるべく変えないよう気をつかいます。また、新しく搬入したマグロは、水槽に慣れるまでのあいだ、アクリルなどに衝突して死亡することもあります。
6月に新しい個体を加えたときは、アクリルに気づかず衝突してしまうのを防ぐため、アクリルに黄色いテープを貼りました。その効果もあってか、今回は搬入後に見られる初期の死亡をこれまでより少なく抑えることができました。
◎えさを食べるクロマグロたち(2015年8月6日撮影、30秒)
しかし、マグロ水槽は飼育生物を見せる水槽であり、その妨げとなるテープを貼り続けることはできません。そこで、マグロのようすを観察しながら、慎重に少しずつテープを剥がしてきました。7月末の時点ですでに後1回ですべて剥がせるところまで来ていますが、テープを完全になくしてしまうことの影響も予想されるため、注意深く観察を継続し、最後のテープを剥がすタイミングを見はからっているところです。
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前回の週刊マグロニュース[6]いつも以上に長い7月でした
〔葛西臨海水族園飼育展示係 児玉雅章〕
(2015年08月07日)