2015年4月29日、葛西臨海水族園の「北極・南極の海」の水槽がリニューアルオープンしました。あらたに設置した水槽は全部で5個。床から約70センチの高さに並べ、お子さんや車椅子ご利用の方にも見やすいよう工夫しました。とくに中央の3つの水槽は奥行きが約50センチの小型水槽なので、生き物をより間近に観察することができます。
リニューアルした「北極・南極の海」コーナー
北極の水槽には、ショートホーンスカルピンやサドルドイールパウトなど、水族園では初展示となる魚が登場しました。ショートホーンスカルピンは、北極海から北大西洋の沿岸にすむカジカのなかまです。展示個体は全長20センチ程度ですが、成長すると最大60センチにもなるようです。特徴的なのは、体の長さの3分の1近くを占める大きな頭と大きな口です。水族園では、えさとしてイカやアジの切り身などを与えていますが、ひと口で飲みこんでしまい、十分与えた後でもまだ欲しがる食いしん坊です。
サドルドイールパウトはゲンゲのなかまですが、そのユーモラスな姿が「ぶさカワイイ」と、職員の中にもファンがいる魚です。こちらについては、次回の記事でご紹介したいと思います。
ショートホーンスカルピン
南極の水槽では、引き続きオセレイテッドアイスフィッシュなどを展示しています。アイスフィッシュは血液の透明な魚として以前
こちらでもお知らせしましたが、世界中でも水族園でしか見られないとても貴重な魚のひとつです。
「北極・南極の海」で展示している生物の多くは、水族園の職員が実際に北極や南極におもむいて採集してきたものです。解説パネルでは、「生きものをどうやって採ってきたの?」「北極と南極はどう違うの?」といった疑問にもお答えしています。また今回あらたに、冷たい板を触って飼育水の温度(約1℃)を体感できる展示をつくりました。極地の海の冷たさを感じてみましょう。さらに充実した極地の展示を、ご家族でお楽しみください。
1℃の冷たさを感じてみよう
※この展示改修は、持田製薬株式会社の寄付金でおこなわれました。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 高濱由美子〕
(2015年05月01日)