ニュース
続・新たな視点で見てみると(51)ふわり、パタパタ、もぐもぐ? メンダコの食事
 └─2015/04/17

 すっかり発信間隔が長くなってしまった「新たな視点で見てみると」シリーズです。時間をかけた分?今回も貴重な映像をお届けします。

 葛西臨海水族園では、その前身である上野動物園水族館の頃から、大変ユニークな深海生物であるメンダコの飼育にチャレンジしてきました。しかし、メンダコを飼育することはとても難しく、状態よく飼育できた例はほとんどありませんでした。

 そんな中、2015年3月に駿河湾で採集されたメンダコは、比較的よい状態で水族園のバックヤードの水槽に搬入され、これまた珍しいことにえさを食べ始めました。

 メンダコの飼育に関するくわしい経緯は小味職員によるこちらの記事をごらんください。

 
左:飼育中のメンダコ。薄目を開けてようすをうかがっている
右:メンダコの泳ぎはユーモラス。広げた腕は妖しく美しい

 今回の動画は、メンダコがえさを食べる瞬間をとらえたものです。飼育水槽はメンダコを落ち着かせるためにかなり暗くしてあり、ふつうのビデオカメラではまったく撮ることができません。超高感度のカメラと少し特殊なレンズを使用して、ようやくメンダコの食事のようすを撮影することができました。

【メンダコ動画(約1分30秒)】


 生物の魅力を感じてもらうには、直接みなさんの目で見ていただくのが一番なのですが、「明るくできない」「とても小さい」といった特殊な事情がある場合、「機械の眼」を通してその姿をお見せするのも一つの方法です。

 これからも魅力的なメンダコの生態をみなさんにごらんいただけるように、飼育技術だけでなく撮影方法やテクニックにも磨きをかけていきたいと思います。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2015年04月17日)


ページトップへ