2015年3月12日から、「東京の海」エリアの特設水槽でウチワエビ幼生の展示を始めました。葛西臨海水族園では、昨年に続き2回目の展示です。今回展示した幼生はバックヤードで孵化した個体です。
ウチワエビのなかまの幼生は、クラゲ類(英語でジェリーフィッシュ)に乗って漂う姿がたびたび目撃され、「ジェリーフィッシュライダー」と呼ばれています。この幼生はクラゲが大好物で、乗っているクラゲを食べながら成長します。
昨年はジェリーフィッシュライダーを初めて見る来園者の方が多かったようで、さまざまな疑問が寄せられました。その中からよく聞かれた質問にお答えします。
Q どうしてクラゲに乗るの?
A 移動手段として、あるいは隠れ家として、または休憩するために利用しているのではと考えられていますが、明確な証拠はないようです。
Q どんなクラゲでも食べるの?
A とくに決まった種類のクラゲだけを食べるのではなさそうです。葛西臨海水族園では、ミズクラゲ、アカクラゲ、カミクラゲ、ギヤマンクラゲ、カブトクラゲを与えてみましたが、いずれも食べました。ただ、クラゲの好みはあるようで、ミズクラゲを与えたときの反応が一番いいように見えました。
Q クラゲに刺されないの?
A 刺されているのかもしれませんが、毒には強いようです。比較的毒の強いアカクラゲを与えたときも、毒のある触手を勢いよく食べていました。どうして刺されないのか、あるいは毒に強いのかはまだ謎に包まれています。
葛西臨海水族園ではできるだけ長く展示できるよう、飼育に工夫を凝らしていますが、幼生は2〜3か月でエビの姿になってしまいます。期間限定の展示なのでぜひお早めにご覧ください。
※この展示は、国立大学法人東京海洋大学にご協力いただきました。
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クラゲに乗って生活するジェリーフィッシュライダー、
ウチワエビの幼生を展示します!」(2014年2月20日)
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(動画)「
ウチワエビの幼生、ジェリーフィッシュライダー」(2014年3月)
〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕
(2015年03月13日)