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ジェリーフィッシュライダー大変身!
 └─2014/04/04

 葛西臨海水族園で2014年2月21日から展示しているウチワエビのフィロゾーマが順調に成長し、7回目の脱皮をおこない「ニスト」に変態しました。ウチワエビには「フィロゾーマ」「ニスト」「稚エビ」の3つの成長段階があり、ニストはフィロゾーマの次の成長段階です。

「ジェリーフィッシュライダーの不思議な生活」(2014年02月28日)

 展示中の幼生は、6回目の脱皮から10日ほど経ったころ、体が白っぽくなり餌のクラゲをあまり食べなくなりました。水槽の底でじっとして動かないこともあり、死んでしまったのでは、と心配になりましたが、さらに5日ほど経った3月31日19時ころ、幼生のようすを見にいくと、夕方にはいなかったはずの透明なエビが水槽の底にいました。白っぽくなっていた幼生の姿はなく、かわりに透明な抜け殻が残っていました。目を離した1時間のうちに脱皮したのでしょう。あっという間の大変身です。

 十分に成長したフィロゾーマは、通常7回目の脱皮を経て透明なエビの姿に変態します。この姿を、イセエビ科では「プエルルス」、セミエビ科では「ニスト」と呼びます。いずれも、その見た目から「ガラスエビ」とも呼ばれますが、少しずつ色素が沈着して全身が茶色っぽくなります。その間は海中を漂う生活から海底での生活に適した体に変化している途中で、何も食べないようです。

 ニストは、クラゲに乗ることもクラゲを食べることもないので、もう「ジェリーフィッシュライダー」とは呼べません。ゆっくり成長している現役ジェリーフィッシュライダーと元ライダーのニストの両方を見ることができるのは今だけです。ぜひ見比べてみてください。

 なお、ニストはしばらくすると脱皮して、親エビと同じように色がついた「稚エビ」になります。ウチワエビの場合は、2〜3週間で脱皮し稚エビになり、さらに脱皮を繰り返して大きくなり、成体になります。

 ジェリーフィッシュライダーとニストの展示は、すべての幼生がニストに変態したら終了です。まだ見ていない!という方は、お早めにご来園ください。

写真上:成長したフィロゾーマ
写真下:変態したニスト

〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕

(2014年04月04日)



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