葛西臨海水族園東京の海エリアの「トピック」水槽に、アカシマシラヒゲエビとフリソデエビを展示しました。いずれも全長5〜7センチほどの小型のエビで、日本では駿河湾以南のサンゴ礁に生息しています。
アカシマシラヒゲエビは「クリーナー・シュリンプ」と呼ばれ、魚の体についた寄生虫などを食べていますが、時には口の中にまで入って餌の残りなども食べます。魚に食べられてしまわないかと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の体を掃除してもらっているので魚がこのエビを食べてしまうことはほとんどありません。
一方、フリソデエビはヒトデの上にいることがよく観察されますが、こちらも掃除をしているのでしょうか? じつはヒトデを餌として食べているのです。フリソデエビについては以前のニュースで紹介しました。
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「フリソデエビ、ただいま食事中」(2013年11月22日)
水槽内では、アカシマシラヒゲエビが白く長い触角を岩陰から出し、ユラユラと揺らしているようすが観察できます。白く長いことがクリーナー・シュリンプの目印になっており、掃除をしてほしい魚は自分から近づきます。魚が近づくとエビは岩陰から出てきて、掃除を始めます。展示したばかりなのでなかなか出てこないかもしれませんが、環境に慣れてくれれば、出てきて掃除する場面が見られるでしょう。
掃除以外でも、脚で撫でるように触角を手入れする行動や、白い脚を左右に振りながら擦り合わせる可愛らしい行動も見られます。
体が小さく岩陰などに隠れていて、あまり目立たないエビたちですが、注意して見るとせわしなく動いています。来園された際は、ぜひ、掃除や食事など、エビたちのさまざまな行動を間近で観察してみてください。
写真上:サンゴの下から顔をのぞかせるアカシマシラヒゲエビ
写真下:お食事中のフリソデエビ
〔葛西臨海水族園飼育展示係 加茂耕太朗〕
(2014年07月25日)