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フリソデエビ、ただいま食事中
 └─葛西  2013/11/22

 葛西臨海水族園の特設展「タッチンフィーリン」では、フリソデエビを展示しています(追記:2014年7月25日現在は「トピック水槽」で展示)。成長しても全長5センチほどの小さなエビで、駿河湾より南の暖かい海に生息しています。名前の由来である着物の振袖のような平らなハサミ脚と、青や褐色の水玉もようが特徴です。

 フリソデエビの食事のしかたはちょっと変わっていて、ヒトデをひっくり返し、柔らかい腹側から内臓を食べます。コブヒトデやアオヒトデを食べることが知られており、食べるヒトデの種類はあまり多くないようです。

 展示しているケースの中には2匹のフリソデエビがいて、大きさ7センチほどの小さなコブヒトデの上に乗っています。何もしていないように見えるかもしれませんが、じつは食事の真っ最中です。

 フリソデエビは、コブヒトデを見つけてもすぐにはひっくり返さず、しばらく背側に乗っていました。あまりお腹が空いていなかったのでしょうか。

 数日後、フリソデエビは見事にコブヒトデをひっくり返し、振袖状のハサミ脚とは別の細く鋭いハサミ脚を使って、ヒトデの管足から中身にかけてゆっくり食べすすみ、3週間後には砂のような骨片だけを残して食べ終わりました。

 だんだん小さくなっていくコブヒトデを見るとちょっとかわいそうですが、フリソデエビが一生懸命食べていることを実感します。みなさんもフリソデエビの食事のようすをじっくり観察してみてください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕

(2013年11月22日)



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