2013年3月22日から葛西臨海水族園「水辺の自然」エリアでニホンコウノトリとタンチョウの展示が始まりました。コウノトリ1羽とタンチョウ1羽を同じ場所で展示しています。
展示開始のお知らせは
こちらのニュースをごらんください。
水族園にやってきた2羽は、室内で数日間環境に馴らした後、展示場へ出しました。コウノトリはすぐに展示場へ出ていき、草むらや川辺を探索し始めました。野生でもこんなふうに餌を探すのだろうと見ていると、見事に小魚を捕獲し、なかなかのハンターぶりを示しました。
一方タンチョウのほうは、展示場を警戒して一向に外へ出ず、扉の前を行ったり来たり……。結局、外へ出る決心をするのに1時間ほどかかりました。
その後やっと出たタンチョウは、何が気にくわないのか、コウノトリをゆっくりと付け回し、近づくと追い払うような行動を見せましたが、現在は落ち着いてきて、コウノトリを気にしなくなってきています。ただ、追い回されたコウノトリの方は、まだタンチョウを意識しているようで、微妙に距離を取りながら過ごしています。しかし、2羽の関係は徐々に安定してきているので、このままようすを見ていきたいと思います。
この展示の見どころは、何と言っても展示場内に水辺があることです。両種とも水辺の生きものを餌とする、水辺と関係の深い鳥です。展示場でも水辺での採餌が見られ、とくにタンチョウはザリガニがお気に入りのようで、よく泥の中を探し回っています。
水辺でたたずむ両種の姿は、本来の生息地を思い起こさせる情景で、写真撮影をする来園者も多く見かけます。ぜひ水族園でコウノトリとタンチョウをごらんください。
写真上:ニホンコウノトリ
写真下:タンチョウ
〔葛西臨海水族園飼育展示係 古橋保志〕
(2013年04月19日)