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第54回高碕賞表彰式と受賞記念講演会を開催しました。授賞作品をご紹介します
 └─2019/03/15

 こちらのページでお伝えしたとおり、2019年3月9日、井の頭自然文化園にて第54回高碕賞表彰式と受賞記念講演会を開催しました。授賞作品は以下のとおりでした。高碕賞記事はPDFでもご覧になれます。

授賞作品

 2019年1月に高碕賞選考委員会を開催し、雑誌「どうぶつと動物園」2018年春号、夏号、秋号、2019年冬号に掲載された記事の中から高碕賞1点、奨励賞3点が選ばれました。

高碕賞

2018年夏号「オガサワラシジミの累代飼育にたどりつくまで」
著者:石島明美(多摩動物公園教育普及課昆虫園飼育展示係)


(クリックしてPDFダウンロード)


奨励賞


多摩動物公園のシフゾウ(2018年春号/読者の誌上写真展)松山直美さん撮影



上野動物園のヒガシクロサイ(2019年冬号/読者の誌上写真展)平本智子さん撮影



多摩動物公園のマレーバク(2019年冬号/読者の誌上写真展)中村沙絵さん撮影

表彰式と授賞理由

 会場となった彫刻館B館で、公益財団法人東京動物園協会理事長の鈴木勝から受賞者の皆さんに表彰状と副賞をお渡ししました。
 つづいて、高碕賞選考委員長である上野動物園福田豊園長から選考経過をご報告しました。高碕賞に選ばれたオガサワラシジミの記事は、希少昆虫の保全を目指して繁殖という難しい課題に10年以上取り組み、一年を越える累代飼育に成功した功績が高く評価されました。他施設とも連携しながら試行錯誤する経緯がよく描かれており、また野生でなかなか見られなくなってきているという観点からも、累代飼育手法の確立は重要な成果だといえます。
 さらに奨励賞の選考経過もご報告しました。動物の特徴や表情がうまく捉えられている作品や、ユニークな撮影アングルからとらえた作品が選ばれました。

表彰式
受賞記念講演

受賞記念講演会

 受賞記念講演は、高碕賞受賞者の多摩動物公園石島明美職員による「オガサワラシジミの累代飼育にたどりつくまで」です。オガサワラシジミをはじめ、小笠原の動植物に関する紹介の後、オガサワラシジミの交尾を成功させるまでの試行錯誤が写真とともに紹介されました。成虫の飛翔空間サイズという観点から、足立区生物園のご協力を得て温室での交尾試験をおこない、その結果をもとに多摩動物公園でもビニールハウスを造って実験。その後も工夫を重ね、世代を重ねて1年を越える継続飼育を達成し、今も代を繋いで飼育を続けています。
 つづいて井の頭自然文化園園長の日橋一昭から、動物園ニュース特別編として「最近の井の頭自然文化園の話題いろいろ」をお伝えしました。展示動物や特設展の話題をご紹介するとともに、今年オープン30周年を迎える「リスの小径」とその記念イベント「文化園──春のリスまつり」についてご紹介しました。
※「高碕賞」は、動物園の発展振興に尽力した東京動物園協会第二代会長、故・高碕達之助氏(1885~1964、経済企画庁長官、通産相)を顕彰し、1965年に制定されました。東京動物園友の会の雑誌「どうぶつと動物園」に掲載された記事や写真を対象に、動物園事業の発展振興、動物愛護精神の普及にとくに寄与したと認められたものに贈られます。


(2019年03月15日)


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