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ツシマヤマネコ「もも」が名古屋へ移動します
 └─2018/11/30

 井の頭自然文化園で飼育しているツシマヤマネコの「もも」(個体番号No.39)を2018年12月4日(火)、名古屋市東山動植物園へ移動します。ももは2006年4月1日に福岡市動物園で生まれたメス。現在12歳です。


 ツシマヤマネコは、東アジアから南アジアに分布するベンガルヤマネコの亜種です。日本では長崎県の対馬にしか生息していません。体重は3~5キロ、体長50~60センチでイエネコにも似ていますが、耳の裏に白い模様(虎耳状斑)をもつことがイエネコとの違いの一つです。

 1960年代の調査による推定生息数は250〜300頭でしたが、生息環境の悪化やえさとなる生物の減少、交通事故死などで個体数が減少し、2010年代前半の時点での生息数は約100頭と推定されています。1971年には国の天然記念物、1994年には国内希少野生動植物種に指定されました。

 絶滅危惧種ツシマヤマネコを守るため、環境省は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)にもとづく保護増殖事業を実施しています。環境省の依頼を受けた公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)は、国内9施設で飼育下繁殖事業に取り組んでいます。2018年11月12日現在、対馬野生生物保護センターを含め、国内では10施設でオス18頭、メス17頭、計35頭が飼育されています。

 井の頭自然文化園もこの飼育下繁殖事業に協力し、2006年からツシマヤマネコを飼育しています(お知らせ)。2018年冬から翌年春にかけての繁殖期を迎え、「平成30-31年ツシマヤマネコ繁殖(移動)計画」にもとづき、全国で計5頭の移動を実施することとなりました。現在井の頭自然文化園にいる「もも」は、2015年11月22日に来園した個体です。非公開施設で飼育していましたが、移動計画にもとづき、名古屋市東山動植物園へ移動することとなりました。

 ももの出発後、井の頭自然文化園のツシマヤマネコはオス1頭、メス2頭となります。

 国内での移動予定は次のとおりです。

個体番号性別年齢移動前移動後移動予定日
No.39メス12歳井の頭自然文化園名古屋市東山動植物園12月4日
No.45オス14歳横浜市立よこはま動物園名古屋市東山動植物園12月4日
No.65メス4歳名古屋市東山動植物園西海国立公園九十九島動植物園12月5日
No.81メス1歳京都市動物園西海国立公園九十九島動植物園12月5日
No.68オス4歳西海国立公園九十九島動植物園京都市動物園12月6日

(2018年11月30日)


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