一般に動物の出産が多く見られるのは春先から初夏。食物が豊富な夏から秋に子を大きく育て、冬を越すための体力をつけるためだと考えられます。この季節、今年も上野動物園ではたくさんの子どもが生まれています。
東園での誕生
オグロプレーリードッグ
東園でオグロプレーリードッグが誕生! プレーリードッグは地下の巣穴で出産し、子はあるていど大きくなってから地上に出てきます。今年最初の子は2017年4月29日、地上に姿を現しました。5月末までに全部で6頭が誕生しましたが、残念ながらそのうち2頭は育ちませんでした。
オグロプレーリードッグ
ジェフロイクモザル
園路をはさんでプレーリードッグの向かい側でも新しい命が誕生。ジェフロイクモザルの「セツコ」が2017年5月4日に出産しました。セツコは何度も出産しているベテランのお母さんです。ケージ内の高いところに登っても、子はしっかり母親にしがみつき、安定したようすです。母親がしっかり抱いているので、現時点では子の性別は不明です。
ジェフロイクモザル「セツコ」と母親にしがみつく子
デマレルーセットオオコウモリ
このほか東園では、2017年3月に「夜の森」でデマレルーセットオオコウモリの子が10頭確認されました。もうかなり大きく成長しているので、暗い展示室内で子どもを見わけるのはむずかしいかもしれません。
西園での誕生
ワオキツネザル
西園・不忍池の島にいるワオキツネザルは、2017年4月12日に「エミ」が出産しました。エミは昨年に引き続いての出産です(下記関連記事)。ワオキツネザルの特徴といえば種名にも出てくるシマシマのしっぽ。誕生直後は“鉛筆ほどの太さ”でしたが、最近は“太書き油性マーカー”ほどに太くなってきました。なれないうちは吊り橋から池に落ちることもありましたが、元気に成長しています。
ワオキツネザル
・関連記事「
ワオキツネザル2頭の子ども、すくすく成長中」(2016年10月21日)
オリイオオコウモリ
同じ西園の小獣館では、オリイオオコウモリの子が4頭見られます。最初に生まれたのは2017年4月21日。その後5月までに3頭誕生しました。子育て中は母コウモリの皮膜(前肢の翼)に包まれて見えにくいのですが、そろそろ母親から離れて枝につかまっていることもあります。
オリイオオコウモリの母子
今後さらに子どもが生まれた場合、母親や新生児にストレスをかけないよう展示を一時中止することもあります。ご理解くださいますよう、お願いいたします。
(2017年07月03日)