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ワオキツネザル2頭の子ども、すくすく成長中
 └─上野  2016/10/21

 上野動物園西園のワオキツネザルの島には、14頭が群れでくらしています。その中に、今年生まれの子どもが2頭います。母親は、子育ては初めての「エミ」(2歳)と、ベテラン母さんの「フウ」(9歳)です。
出産日(2016年5月5日)のエミと子
エミ親子(生後1か月)

 エミが出産したのは2016年5月5日。朝、寝室に入ると、群れの中にいるエミのようすがいつもと違います。部屋の奥で動かずに「きょとん」としているのです。よく見ると、おなかに赤ちゃんがぴったりくっついていました。

 出産予定日ということもあり、私たちは赤ちゃんを確認してホッとしました。しかし、エミは初産だからでしょうか、動揺が見てとれる状態でした。赤ちゃんが動くたびに驚くエミを見ていると、子どもではない何か違うものがくっついているかのようです。

エミ親子(生後3か月)
エミの子(左)と群れの個体(右)

 子育てできるのか見守っていましたが、心配するのもつかの間、エミは子をしっかり抱いて面倒を見るようになり、ひと安心しました。最近、子どもは母親から離れて群れのおとなたちと行動することが多くなり、高い木から木へとジャンプしたり、今いちばんの遊びざかりです。

 フウの出産は8月5日でした。6回目の子育てで、出産後もあわてるようすはなく落ち着いていました。子どもを抱いている姿にもどこか貫禄があります。

出産日(2016年8月5日)のフウと子
フウ親子(生後2か月)

 フウの子どもは、まだ一日の大半は母親のおなかか背中にくっついていますが、えさの時間になると、地面に降りてえさを探すようになりました。フウの子はエミの子と違ってさみしがりやです。母親の姿が少しでも見えなくなるととたんに鳴き出し、その声を聞いたフウはすぐに駆け寄って、「はいはい、どうぞ」と言うように背中に乗せます。まさに「肝っ玉母さん」という感じです。

 2頭のこどもはちょうど3か月違い。日に日に成長していく姿を見ることができます。天候の良い日に展示場に出ていますので、ぜひ見に来てください。

〔上野動物園西園飼育展示係 坂下涼子〕

(2016年10月21日)


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