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別居中のコモンマーモセット、出産!
 └─上野  2009/06/19

 約2か月前の「コモンマーモセットの別居」という記事をおぼえていますか?(ニュース記事はこちら)。

 その後、2009年6月9日、上野動物園小獣館でコモンマーモセットに双子の赤ちゃんが生まれました!

 霊長類などの動物は小さいころから雌雄いっしょに生活していると、おたがいを繁殖相手に選ばない傾向があります。上記記事では、コモンマーモセットの繁殖の可能性を高めるため、全3頭(オス2頭、メス1頭)のうち、オス1頭を裏側の非公開飼育室に移し、別居させたとお伝えしました。

 みごと計画通りの繁殖!──と言いたいところですが、ちょっと待ってください。前回、別居させたオスは頃合いを見はからって、ふたたびメスと同居させる予定ですと書きましたが、じつは、まだ再同居させていないのです。

 あれ? おかしいですよね。

 コモンマーモセットの妊娠期間はおよそ5か月弱ですが、日数をさかのぼってみると、どうやら別居させた時点で、すでにメスのお腹には赤ちゃんがいたようです。ただし、どちらのオスが父親なのか、今のところ不明です。

 別居させた当初、メスはまだお腹が大きくなく、私も妊娠に気がつきませんでした。しかし、しばらくすると、メスの体がオスよりもあきらかに大きくなってきました。小型サルが妊娠すると、下腹部ではなく、お腹の上部が大きくふくらんでいきます。妊娠に期待をよせ、ただのメタボではないことを祈りつつ見守っていると、6月9日、無事に双子の赤ちゃんが生まれました。狙っていた方法とはちがいますが、うれしい繁殖でした。

 2頭の子どもは現在、親のお腹か背中に抱きついています(写真)。父親も育児を手伝い、排便をうながしたりしているので順調に育ちそうです。

 赤ちゃんは親と同じ体色なので見つけづらいかもしれませんが、細いしっぽにはっきりとしたシマシマがあります(写真下)。探してみてください。動いていませんか?

・東京ズーネットBBの動画「コモンマーモセット登場
 (2007年の撮影です)

〔上野動物園西園飼育展示係 藤岡紘〕

(2009年06月19日)



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