上野動物園小獣館では、血縁関係のないオス2頭とメス1頭、計3頭のコモンマーモセットをいっしょに飼育していますが、今回、オス1頭を別居させることにしました。それはなぜでしょう? メスの取り合い? 喧嘩? いえ、どちらでもありません。答は「繁殖」のためです。
マーモセットなどの動物は、子どものころからずっといっしょに育った異性を繁殖相手に選ばない傾向があります。これは、家族の群れくらす彼らが、近親交配を避けるための習性と考えられています。
野生では、おとなになった個体もしばらくは群れに残り、弟妹の面倒を見ますが、群れから出て、新たな群れを作る個体も見られます。しかし、動物園ではそうもいきません。そのため、オス1頭を裏側の非公開飼育室に移したのです。
移動したオスがかわいそうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いずれは元に戻します。しばらく別居することで、繁殖の可能性を高めようという計画です。しばらくみなさんとお別れですが、時期を見て、同居を再開します。将来の二世誕生をお楽しみに!
〔上野動物園西園飼育展示係 藤岡紘〕
(2009年04月17日)
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